【出版】学生のための編集入門講座

2007年8月22日(水)

【出版】学生のための編集入門講座

学生アルバイトの募集とかをすると「本が好きなんで」とか「将来、出版社で働きたいので」応募しましたということがある。たぶん、お金のためなら、もっとわりのいいバイトもあるだろうから、出版社でアルバイトをするという場合には、そういう思考があるのだろう。でも、そういう場合、「本が好き」ということと「本を作るのが好き」ということは違うということを感じてほしいと思うことがよくある。というわけで、もし、「出版社で働きたいので」ということであれば、どういうことが将来的に就職活動をするなりする時に必要なのかを、先に言っておきたい。そうじゃないと最初から、すれ違いになってしまうからだ。

もし、大学生で将来編集者になりたいと思っていて、街を歩きながら、電車に乗っている時でも、アイディアがどんどん沸いてくるとか連想が次から次へと浮かんでくるというのではないのなら、そのために少し工夫をしてみることをすすめたい。

まず、新聞をとっているだろうか。取っていなければ、かならず取ることを進める。これは基礎なので、絶対に取ってほしい。そして、毎日必ず読むこと。読む習慣をつけよう。

毎日読むようになったら、次は記事をメモしよう。メモしたときに何でメモしたのかもメモしておく。その次は、自分の好きなことを想像してほしい。何でもいいので、テーマを決めることだ。たとえば、運動することが好きであるとか、映画を見ることが好きであるとか。あるいは、具体的にどういう本を作りたいというのがあれば、そういうものでもいい。たとえば、料理の本であるとか推理小説であるとか、ダイエット法とかでもいい。そのテーマに何らかの接点があるなあと感じるものを切り抜く。

毎日、3カ所は最低、切り抜こう。次に、その切り抜いたもので企画を考えてみる。こういう本が作れるのではないか、ということで考えてみる。この時は現実性やすでに類似した本があるのではないか、ということはあまり気にしないでいい。まずは、毎日3つは切り抜いて、1週間で、3つ、本の内容のメモを作る。

次にその内容を誰かに話そう。相手が分かってくれるように説明しよう。最初は、うまく行かなくても良い。説明しようと思う気持ちが重要である。説明することを常に意識していると説明の筋肉があたまのなかにできてくる。

また、半年位すると常に日常的にネタを探すという視点ができてくるに違いない。その段階で、本屋さんの棚を時間をかけてずっと見てみよう。また、雑誌を1冊頭からお終いまで見てみよう。誰かがネタを探して、それを本にしたり、誰かがネタを探して雑誌記事を書いているということが実感できるだろう。また、新しいお菓子が出来ているとしたら、世の中の流れがどういうふうに動いていて、それにたいして作り手が反応してできたということがわかるだろう。流行っているお店に入って、どうしてその店が流行っているのか、新しい客層なのか、古くからいた層を発見し直したのか、などということを考えてみる。そういうことを続けていくと作り手の視線というのが少しは感じることができるようになるのではないだろうか。

ここまで、できればプロの編集の入り口に立つことができるだろう。こういったことが得意ではないのなら、企画を立てる編集者には向いていない。受ける側の読者というのが、よいスタンスかもしれない。「本が好き」というのが、作るのが好きなのか、読むのが好きなのか、あるいはもしかしたら、作るのが好きなジャンルと読むのが好きなジャンルが違っている自分を発見するかも知れない。


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