2003年8月15日の日誌 ことばのトレーニング(1回)

2003年8月15日(金)

ことばのトレーニング(1回)

私は、4月から野村ゆり子さんのプレゼンテーションの講座を受講し、5月かには神原さんにコーティングを受けた。プレゼンテーションの講座では、山口さん率いるわがチームが、優勝した。講座を受けた結果、使った『ロジカル・シンキング』はよい教科書であると思ったが、私の課題は、観衆への配慮が足りなかったことにあることに気がついて、もう少し基礎的と言える部分をどうにかしたいと思い、「江川ひろしの話し方教室」に7月から通いはじめた。この話し方教室を選んだのは、メールマガジン「がんばれ社長」の武沢信行さんがすすめていたのを思い出したためである。テーマが「よい人間関係の作り方」である点は、ロジカルプレゼンテーションばやりで、論理ばやりの今、時代遅れとうけとられかねないところもある。ただ、今のはやりのプレゼン講座では忘れられている話をする立ち振る舞いをきちんと指導してくれるところは、悪くない。コミュニケーションについては、考えてきていることもあるので、自分の体験に基づいて「ことばのトレーニング(1回)」について不定期に連載することにする。


ことばのトレーニング(1回)内的なことばと外的なことば

人間のことばには、内的なものと外的なものがある。何かを心の中で考える時に使うことばが、内的なことばであり、考えたことを人に向かって伝える時に使うことばは、外的なことばである。

たとえば、内的なことばには、考えをまとめる、人に注意されたことを整理して、受け止める、危険を切り抜けた時に、その経験を話にすることによって恐怖感にとらわれないようにするといった機能がある。内的なことばが、しっかりしていると他人や他者のいうことを素直に聞くことができると同時に過剰な影響を受けないということがある。自分の世界観を持つには内的なことばが必要で、その世界観を持っていれば、自分を尊重し、自尊心をもつことができる。内的なことばができていないと、きれやすくなり、暴力に訴えてしまうことになりやすい。

一方、外的なことばは自分の思いを伝えたり、説得したり、人と協働を行う時に必要だ。このことばが十分に発達していないと、やきもきしたり、歯がゆい思いをすることになって、偏狭になったりする。何か事業を進めたり、チームで企画を進めたりするときに重要である。

さらに、内的なことばを外的なことばに転送して、外に出すときに、内的なことばはかならずしも明確ではなくても、感覚的なもので進めていくことができるが、外的なことばはあくまでも相手に分かってもらわなければならないから、注意すべき点がある。

まず、内的言語の方が内部の思考であるので、外的ことばよりもスピードが速いということ。スピードの差があると言うことは、はっきり発音しないうちに先に走ったり、最後まで音にしてだしていないのに、次に言ってしまうことがある。最後まできちんと言わないという人はそういう人である。また、主語や目的語などを省きすぎる人の場合も、内的なことばと外的なことばの違いについて、あまり自覚していないことが多い。外的なことばは、身体的な部分、唇とかのどとか、呼吸法など実際に身体を使うので、発音がきれいか、明晰か、どもったりしないか、声が大きいかなどに左右されるということである。したがって、身体の問題なので、実際にスムーズに動くためには、訓練も必要だと言うことである。身体なので、操作することに慣れる必要があるということだ。

また、いったん発した声や発言がどのように受け止められるかについては、意識的に話し手になったり、聞き手になったりするというトレーニングを経ないと、方策がないので、上がりやすくなったり、早口になったり、口ごもったり、話をはしょりすぎたりということになる。生まれつき上手な人もいるだろうが、多くの人は練習が必要だろう。

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