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2010.12.27更新

第31回メディアとことば研究会

日時:2010年12月18日(土)15時〜18時
利用会場:

〈東京会場〉東洋大学白山キャンパス 5号館1階 5101教室    
〈関西会場〉武庫川女子大学 研究所棟6階 A‒609 言語文化研究所

発表者名:新井保裕(東京大学大学院 総合文化研究科・日本学術振興会特別研究員)
タイトル:情報行動の日韓対照研究—携帯電話における音声通話と文字メールの行為選択に注目して
キーワード:携帯電話、情報行動、音声通話と文字メールの行為選択、量的調査、質的調査、日韓対照

概要: 本研究では、携帯電話における音声通話と文字メールの行為選択に焦点を当てて、情報行動の日韓対照研究を行う。別々に使用実態を尋ねた既存の研究とは異なり、特定の状況において音声通話と文字メールのどちらかを選択するかを、質問票を通じて量的調査し、計量分析から行為選択の要因を探る。クロス集計表の関連性検定により、メールの利用頻度こそ韓国の方が高いものの日本の方が強いメール志向を示すことを明らかにする。また日韓ともに行為選択には、連絡主体の性別、連絡対象者の待遇度・親疎度、そして連絡重要度が影響を与えることを示す。さらにロジスティック回帰分析を用いて各種要因・条件間の大小関係も見、連絡重要度が最大影響要因であることを明らかにする。また質的調査を行い、こうした現象の背景を探っていく。そして携帯メール言語表記利用と行為選択に見える非対称性の原因、コミュニケーション・スタイルのシフトや通話利用の二側面、日常のコミュニケーション・スタイルや社会文化的要因の影響の可能性を指摘する。

【発表レジュメ(Pdf)】


発表者名:出口由美 (関西大学大学院 文学研究科博士後期課程)
タイトル:フランスメディアの科学ディスコースを通した知識の伝達—科学の確実性を構成する要素に着目して
キーワード:ディスコース、科学的知識、媒介者、信憑性、フランス語

概要: 本発表では、専門家間で構成された科学的知識が、マスメディアを通して一般人に伝達される際のディスコースを「マスメディアの科学ディスコース」とよび、これを対象として分析を進める。このようなディスコースは、とりわけ健康や食品、環境等の社会的事象が問題となる時、わたしたちの日常生活と密接に関係するがゆえに、読者の不安をさそったり、興味を惹きつけたりといった機能をもつことが考えられる。 本研究では、パリ第3大学の「日常的*専門的ディスコースの研究センター(Cediscor)」が提案する研究アプローチをもとに、フランスのマスメディアの科学ディスコースを対象とし、知識伝達のメカニズムを探る。とりわけ、それらの知識がどのように確実性を獲得しているのかという点に着目し、一般人にとっての科学がもたらすさまざまな知の信憑性が、ことばとともにいかに構成されているかについて検討する。

【発表レジュメ(Doc)】