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2009.10.5更新

第26回メディアとことば研究会

日時:2009年9月18日(金)15時30分―18時10分
利用会場:

京都大学 薬学部キャンパス 稲盛財団記念館 大会議室


講演者名:石川慎一郎(神戸大学国際コミュニケーションセンター・大学院国際文化学研究科外国語教育論講座准教授)
タイトル:
言語コーパスを用いた「メディアとことば研究」への量的アプローチ
キーワード:批判的談話分析、コーパス言語学、語彙統計

概要: 言語が世界を切り取る際には何らかの心的スタイル(mind style)が生じる(Fowler 1975)。語りの視点の具現化である心的スタイルは言語とメッセージの間にねじれの関係を生みだし、テクストに政治性や思想性を付与する(Carter & Nash1990)。批判的談話分析(critical discourse analysis: 以下CDA)は、表層の言語と深層のメッセージの有機的な相互作用を体系的に解読(decoding)しようとするものであるが、CDAが言語科学として自立するためには客観的データの裏付けが必要である。ここで考えうる1つの方向性はCDAとコーパス言語学(corpus linguistics)を融合させることであろう(Flowerdew1997; Fairclough2000, 2001; Piper 2000; 田畑2009; 石川 2005, 2009)。本講演では、コーパス言語学の諸相および日英語の処理上の問題点について整理した後、身近なメディア・ディスコースの中からいくつかの事例を取りあげ、コーパスをCDAに応用する方策について検討したい。

【発表レジュメ(Word)】