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2007.8.13更新

第18回メディアとことば研究会

日時:2007年6月2日(土)15時―18時半
利用会場:
〈関東会場〉東洋大学白山キャンパス3号館1階ナレッジスクウェア
〈関西会場〉武庫川女子大学日下記念マルチメディア館(通称MM館のMM-108)


発表者: 西尾純二 (大阪府立大学人間社会学部) 
タイトル:「ローカル情報番組にみる方言使用の地域差」
キーワード:テレビ、ローカル情報番組、スタイル、言語変種、話者属性

要旨:
かつて、日本におけるテレビは、共通語専用のマスメディアであった。しかしながら、近年はテレビで方言がしばしば用いられる。共通語メディアであったテレビに、方言が参入するという現象は、言語生活における方言の社会的機能の変化、そして、テレビというマスメディアの言語生活上の位置づけの変化を示唆するものである。本発表では、山形、関西、愛媛、九州北部のローカル情報番組に注目し、各地で起こっているテレビでの方言使用のあり方を分析する。
これによって、テレビというマスメディアが有する言語生活上の位置づけの地域差について、その一端を明らかにし、方言の社会的機能の地域差を論じるのが目的である。具体的には、ダ・ジャ・ヤの使用頻度から、テレビでの方言の受容度や、各方言の勢力関係、地域の経済力と方言との関係を考察する。また、丁寧体の出現率と方言使用との関係から、地域ごとの方言のスタイル上の異なりを論じる。


発表者名:田村 紘(元新聞記者)
タイトル:「社説の主張を文法形式から考える−朝日と読売の提言形式とモダ リティ比較−」
キーワード:「働きかけ」、当為判断、希望表現、出現頻度、前接述語、出現段落位置

要旨:
新聞社説は言論機関としての自覚的使命から、現状を批判し「より良い事態」の遂行を事態の実現主体に求める。その主張は「提言」として、「働きかけ」の表現形式をとることから、通常の記事表現とは大いに異なっている。文法的に「評価のモダリティ」とされる「・・・なければならない」「・・・べきだ」や希望表現「・・・たい」が「社説」というテクストには頻出することに注目し、これらを「働きかけ」機能という視点から分析した。「モダリティ」を構成する助動詞「ナイ」「ベシ」「タイ」を「働きかけ」の機能カテゴリに分け、それらの使用頻度、共起述語、段落での出現位置などを調べることで、国内有力紙である朝日と読売の提言表現の相違や個性を明らかにする。研究には両社説の第一四半期3年分を対象とした。また米紙ニューヨーク・タイムズの社説も参考とし、日米の差異にも言及する。


★発表概要など詳細に関しては、準備が出来次第掲載いたします。

第18回大会のポスターです。
【第18回大会のポスター(PDF)】