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2006.1.30更新

第11回メディアとことば研究会
場所: 龍谷大学
日時: 2005年9月30日(金)

発表者:
石丸久美子(大阪大学大学院言語文化研究科博士課程)
平本 毅(立命館大学大学院社会学研究科博士課程)



発表者: 石丸久美子(大阪大学大学院言語文化研究科博士課程)
タイトル:
日仏化粧品広告ディスクールのメカニズムと特性
−ディスクール分析の観点から−
キーワード:
日仏化粧品広告、ディスクール分析、「発話装置」、異文化間比較、女性美

概要:
概要:  広告の中で重要な位置を占め、女性の消費行動を左右し、女性美という公共表象を構築していると考えられる化粧品広告。その広告のディスクールは、一体どのように個人、あるいは集団を、操作し、商品購入へと導くのか、そして、どのような女性美を構築しているのであろうか。本発表では、ディスクール分析(フランス学派言説分析)という枠組みにおいて、化粧品広告ディスクールのメカニズムを分析し、また、日本とフランスの広告ディスクールのそれぞれの特性を考察することを目指す。
 まず、日本とフランスの化粧品広告をコーパスとして、それらの「発話装置」分析を行い、広告ディスクールのメカニズムを解読することを試みる。そして次に、日本とフランスの広告それぞれに特徴的なディスクールを分析し、「フェイス」概念等を用いながら、日本とフランスにおける、女性美概念の共通、相違点を探ると共に、ディスクールと「場」(ここでは日仏の社会・文化的差異)との関係を検討してみたい。




発表者: 平本 毅(立命館大学大学院社会学研究科博士課程)
タイトル:
人とコンピュータとの対話部分の記述を含めたCMCの会話分析の手法
キーワード:
 CMC、HCI、会話分析、インタラクション分析

概要:
 CMCの発話交換を行うとき、参与者は同時に端末のユーザである。というよりもむしろ、ユーザは端末を使いこなすことができる限りにおいてCMCの参与者として振舞うことが可能になる。したがって、CMCの発話交換がいかにして成立するかということを分析するとき、CMCのログ(実際の発話記録)だけではなくユーザと端末との対話(Human-Computer Interaction:HCI)の過程を観察する必要が生じる。本発表では、そのためのツールとして会話分析(Conversation Analysis:CA)の応用を提案し、その実践的な手法を紹介する。CAを応用したHCI分析の領域では、ユーザと端末間の対話(ユーザの行為−端末の反応)を擬似的にターンの交換と捉え、分析を行う手法が用いられている。CMCの発話交換は、HCIとCMCの二段階でのターンの交換が入れ子になったものとして考えることができる。いかにして個々のユーザが行う打鍵やマウスの操作が言語使用として成立し、さらにそれが複数のユーザ間で社会的なものとなるのか、ということが検討される。