越境する東アジアの文化を問う 新世紀の文化研究 千野拓政編 ポストコロニアル時代の人文学と東アジア文化圏 1 越境する東アジアの文化を問う 新世紀の文化研究 千野拓政編
2019年3月刊行

ポストコロニアル時代の人文学と東アジア文化圏 1

越境する東アジアの文化を問う

新世紀の文化研究

千野拓政編
  

本文フォーマット 大崎善治
装丁・カバーイラスト 萱島雄太

A5判並製カバー装 320頁 定価2,800円+税

ISBN 978-4-89476-978-6

ひつじ書房

Humanities in Post-colonial Era and East Asian Cultures 1
Issues of Border-crossing Culture in East Asia: Cultural Studies for the New Century
Edited by Senno Takumasa


2010年代後半を迎え、貧富の差の拡大、民族紛争や難民の激増など世界で混迷が深まり、精神的危機が広がる。今日の問題に人文学は切り込むことができるのか。シリーズ1冊目の本書はサブカルチャーを中心に文化研究の最前線を取り上げる。若い読者の間でテクストの読み方が変化し作品と読者・視聴者の関係も変わりつつある。背後に東アジア全域の都市に広がりつつある若者の閉塞感や絶望がある。研究者、作家、音楽家、マンガ家が集い、あらためて問い直す。執筆者:上田岳弘、小沼純一、鈴木惣一朗、千野拓政、チャ・ウジン、陳栢青、とり・みき、林ひふみ、藤本一勇、賀照田、牧村憲一、ミーガン・モリス、宮沢章夫、毛利嘉孝、李南周、王暁明


【目次】


まえがき

 第一部 文化研究(カルチュラル・スタディーズ)の来し方行く末

この30年間東アジアの文化に何が起こってきたのか?―アニメ・マンガ・ライトノベル、コスプレ、そして村上春樹
 千野拓政(日本/早稲田大学)


「小器化」の時代に―今日の大陸中国における文化研究
 王暁明(中国/上海大学)[楊駿驍・千野拓政訳]


誰が「美的差異」を気にかけるのか?―危機の時代の文化研究
 Meaghan Morris(オーストラリア/シドニー大学)[山田裕美子・千野拓政訳]


ポストメディア時代の文化研究―二〇一〇年代の日本のメディア文化と政治
 毛利嘉孝(日本/東京芸術大学)


パネルディスカッション[司会:千野拓政]


 第二部 混迷する思想に向けて

今日の中国の精神・倫理問題をめぐる思考についての思考
 賀照田(中国/社会科学院)[陸賽君・千野拓政訳]


民主大闘争(一九八七年)からキャンドル闘争(二〇一六年-二〇一七年)に至る思想状況の変化―革命のディスコースを中心に
 李南周(韓国/聖公会大学)[張宇博・千野拓政訳]



 第三部 文学とサブカルチャーのはざまで

妖怪が生まれた―二〇一〇年以降の台湾マンガ・アニメ・サブカルチャーの現状並びに新世代作家の対応
 陳栢青(台湾/作家)[劉茜・千野拓政訳]


トークセッション[司会:小沼純一]
 上田岳弘(作家) 陳栢青(作家)


パネルディスカッション[司会:千野拓政]


 第四部 一九八〇年代サブカルチャー再訪―アジアを貫く若者文化の起源

シンポジウム[ライブ収録 総合司会: 藤本一勇]
 ①一九八〇年代ポップスの世界
  1. 牧村憲一「八〇年代の七〇年代」
  2. 牧村憲一+鈴木惣一朗「九〇年代の八〇年代」
  3. チャ・ウジン「二〇世紀のノスタルジアはいかに二一世紀音楽市場の支配力を持ったのか―韓国の若者文化、ソーシャルメディアそしてK-POP」
  4. 林ひふみ「一九八〇年代北京:ロックの萌芽と改革開放」
 ②一九八〇年代マンガの世界
  1. とり・みき「八〇年代の個人的マンガ家活動から見たオタクとサブカルの分化」
  2. 宮沢章夫「岡崎京子で読む八〇年代、九〇年代」
 ③パネルディスカッション[司会:小沼純一]


あとがき





【編者】
千野拓政(せんの たくまさ)
1953年生まれ、早稲田大学教授、中国文学、文化研究
[連載]《东亚现代文化的转折与日本当代青年文化》(東アジアの文化的転換と日本の若者文化)《花城》2016年第1期〜第6期、花城出版社
[編著]『東アジアのサブカルチャーと若者の心』勉誠出版、2012年



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