ひつじ書房 語りの言語学的/文学的分析 郡伸哉・都築雅子編 語りの言語学的/文学的分析 内の視点と外の視点 郡伸哉・都築雅子編
2019年3月刊行

語りの言語学的/文学的分析

内の視点と外の視点

郡伸哉・都築雅子編

A5判並製カバー装 278頁 定価4000円+税

ISBN 978-4-89476-976-2

ひつじ書房

Linguistic and Literary Analysis of Narrative: Inside/Outside Point of View
Edited by Kori Shinya and Tsuzuki Masako



【内容】
小説の語りへの言語学と文学研究の共同アプローチ。第1部で事態把握の類型論的考察(日本語・英語・ロシア語対照)、言語進化の考察、語りと声をめぐる文学理論的考察を行ったのち、第2部でモンゴメリー、ブルガーコフ、夏目漱石の作品の原文と翻訳のテクストを分析する。日本語・英語・ロシア語を比較しながら、「内の視点と外の視点」という切り口から語りに迫る。
執筆者:都築雅子、ペトリシェヴァ・ニーナ、中村芳久、郡伸哉


【目次】


まえがき

第1部 視点と語りへの視座

第1章 事態把握の主観性と言語表現―認知言語学の知見より 都築雅子
1 はじめに
2 主観的把握と客観的把握
3 主観的把握傾向の日本語表現と客観的把握傾向の英語表現―視覚・感情に関わる表現や推移表現など
4 主観的把握傾向の日本語表現―間主観性に関わる表現
5 「語り」の視点と主観的把握/客観的把握

第2章 事態把握の観点からみたロシア語 ペトリシェヴァ・ニーナ
1 ロシア語の位置と文字体系
2 名詞類の特徴―性・数・格、その他
3 動詞の特徴
4 統語論的特徴
5 ロシア語における事態把握の客観性と主観性

第3章 認知と言語・コミュニケーションの進化 中村芳久
1 はじめに
2 認知文法の認知モデルと2つの認知モード
3 認知モードと日英語の「内」「外」
4 言語構造の諸側面(記号構造、単文構造、複文構造)の進化
5 コミュニケーションと認知
6 利他性・協力・協調性(altruism,MACCM)の進化と認知
7 結び

第4章 語りと声―文学的観点から 郡伸哉
1 視点と声
2 『沈黙』の思考描写
3 語りの主体と対象
4 物語世界
5 媒介の諸相
6 心と声
7 『沈黙』の声

第2部 テクストの比較分析―日本語・英語・ロシア語の語り

第5章 モンゴメリー『エミリー』
1 はじめに              都築雅子/郡伸哉
2 英語原文と日本語訳の比較―事態把握の主観性の観点から 都築雅子
3 英語原文における「体験の言語化」 郡伸哉

第6章 ブルガーコフ『巨匠とマルガリータ』
1 はじめに 郡伸哉/ペトリシェヴァ・ニーナ
2 語りのテクスト分析 郡伸哉
3 ロシア語原文・英訳・和訳にみる主観性と客観性 ペトリシェヴァ・ニーナ

第7章 夏目漱石『夢十夜』より「第三夜」
1 はじめに  都築雅子/ペトリシェヴァ・ニーナ/郡伸哉
2 日本語原文と英語訳文の比較―事態把握の主観性の観点から 都築雅子
3 ロシア語を中心とした3言語の比較 ペトリシェヴァ・ニーナ
4 夢の感触の表現 郡伸哉

第8章 テクスト分析のまとめ

執筆者紹介




編者紹介

郡伸哉(こおり しんや)中京大学国際教養学部教授。著書に『プーシキン—饗宴の宇宙』(彩流社、1999)、『チェーホフ短編小説講義』(彩流社、2016)、など。
都築雅子(つづき まさこ)中京大学国際教養学部教授。専門は語彙意味論、コーパス言語学。論文に「行為連鎖と構文II—結果構文」(『認知文法論II』大修館書店、2004)、「コーパスと語彙意味論研究—加熱調理動詞の使役交替性」(『コーパスと英文法・語法』ひつじ書房、2015)、「in fact, actually, indeed, reallyの考察」(『英語語法文法研究』第23号、2016)など。


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