アムド・チベット語文法 海老原志穂著 アムド・チベット語文法 海老原志穂著
2019年2月刊行

アムド・チベット語文法

海老原志穂著

A5判上製カバー装 400頁 定価8,800円+税

イラスト 蔵西

ISBN 978-4-89476-951-9

ひつじ書房

A Grammar of Amdo Tibetan
Ebihara Shiho



【内容】
東北チベット(中国青海省など)で話されるアムド・チベット語についての本邦初の文法書。同言語が話されている地域や話者、類型的特徴、周辺諸言語との言語接触に関する概況をはじめ、音韻・音声、形態的・統語的特徴、文法範疇、敬語や民俗語彙などの語彙的特徴を豊富な例文とともに網羅的にまとめ、チベット語に特徴的な文法現象である、証拠性(エヴィデンシャリティ)とウチ・ソトについても詳細に記述された言語学的研究。



【目次】


はじめに
図表一覧
略号

第1章 アムド・チベット語の概況
1.1 地域、言語系統
1.2 方言分類
1.3 本書で扱うアムド・チベット語
1.4 話者人口
1.5 言語使用状況
1.6 類型的特徴
1.6.1 音韻的特徴
1.6.2 形態的、形態音韻的特徴
1.6.3 統語的特徴
1.6.4 述語に関わる文法範疇
1.6.5 言語のスタイル
1.6.6 民俗語彙
1.7 文字
1.8 言語接触
1.8.1 漢語からの借用
1.8.2 モンゴル語からの借用
1.8.3 英語からの借用

第2章 音韻
2.1 子音音素
2.1.1 破裂音
2.1.2 破擦音
2.1.3 摩擦音
2.1.4 鼻音
2.1.5 流音
2.1.6 半母音
2.2 母音音素
2.3 音節構造
2.4 音結合の規則
2.4.1 音節頭における子音連続
2.4.2 母音と音節末子音の組み合わせ
2.5 音声的な諸特徴
2.5.1 音調
2.5.2 吸気音による発話
2.5.3 長母音
2.6 形態音韻的な交替・脱落現象
2.6.1 接尾辞・後接語の頭子音交替
2.6.2 存在動詞とコピュラ動詞の語幹の交替・脱落
2.6.3 複合語中の音交替
2.7 口語音と読書音

第3章 語の構造と品詞分類
3.1 自立語、付属語、付属形式
3.1.1 自立語と付属語・付属形式
3.1.2 付属語と付属形式
3.2 語と語幹
3.3 品詞分類
3.3.1 名詞
3.3.2 代名詞
3.3.3 数詞
3.3.4 形容詞
3.3.5 動詞
3.3.6 副詞
3.3.7 間投詞
3.3.8 不定助詞
3.3.9 格助詞
3.3.10 談話助詞
3.3.11 助動詞
3.3.12 文末助詞
3.3.13 接続助詞
3.3.14 疑問語

第4章 語形成
4.1 派生接辞
4.1.1 名詞類を派生する接辞
4.1.2 動詞を派生する接辞
4.2 複合
4.3 重複
4.3.1 状態動詞の重複
4.3.2 動作動詞の重複

第5章 句
5.1 名詞句
5.1.1 修飾部
5.1.2 主要部
5.1.3 格
5.2 形容詞句
5.3 副詞句
5.3.1 複数の副詞の組み合わせによる副詞句
5.3.2 副詞以外の語に格助詞が接続した副詞句
5.4 動詞句
5.4.1 名詞と動詞からなる動詞句
5.4.2 動詞連続からなる動詞句
5.4.3 動詞と動詞の間に接続助詞が挿入された動詞句
5.5 助動詞句
5.5.1 助動詞と助動詞からなる助動詞句
5.5.2 複合助動詞句
5.5.3 助動詞と複合助動詞句による助動詞句
5.5.4 複合助動詞句と複合助動詞句または助動詞による助動詞句

第6章 単文
6.1 基本語順
6.2 平叙文/ 肯定文
6.3 命令文
6.4 疑問文
6.4.1 疑問語疑問文
6.4.2 真偽疑問文
6.4.3 選択疑問文
6.4.4 修辞疑問文
6.5 否定文
6.5.1 否定接頭辞を用いた否定
6.5.2 否定動詞を用いた否定
6.5.3 複合助動詞句の否定
6.5.4 動詞連続の否定

第7章 文法範疇
7.1 ヴォイス
7.1.1 使役の基本的表現
7.1.2 自動詞の使役文
7.1.3 他動詞の使役文
7.1.4 無意志動詞の使役文
7.1.5 使役の否定形
7.1.6 二重使役
7.2 アスペクト
7.2.1 未完了
7.2.2 完了
7.3 証拠性(エヴィデンシャリティ)
7.3.1 定着知
7.3.2 現場観察
7.3.3 結果観察
7.3.4 状態観察
7.3.5 推量
7.4 ウチ/ ソト
7.4.1 コピュラ動詞
7.4.2 コピュラ動詞を含む複合助動詞句とその短縮形
7.4.3 ウチ/ ソトと証拠性の共起制限
7.5 モダリティ
7.5.1 必要、義務
7.5.2 許容
7.5.3 確信
7.5.4 文末助詞によるモダリティ
7.6 方向

第8章 複文
8.1 名詞節
8.1.1 名詞節中の動詞の活用形
8.1.2 名詞節の統語的機能
8.2 名詞修飾節
8.3 副詞節
8.3.1 条件
8.3.2 譲歩
8.3.3 逆接
8.3.4 動作連続・付帯状況
8.3.5 動作連続・否定の状態
8.3.6 目的・否定の状態
8.3.7 生起後・生起中
8.3.8 直前
8.3.9 限界
8.3.10 生起前
8.3.11 直後
8.3.12 引用
8.3.13 思考の補節
8.4 節連続
8.5 従属節の包含関係

第9章 敬語
9.1 敬語の使用対象
9.2 敬語を表す方法
9.2.1 単語の交替
9.2.2 語形成
9.2.3 婉曲表現
9.3 敬語の品詞
9.3.1 名詞
9.3.2 動詞

付録1 接尾辞・後接語の頭子音交替一覧
1 接尾辞の頭子音交替
2 後接語の頭子音交替

付録2 ヤクに関する語彙
1 体全体の毛色に関わる表現
2 角の有無・形状に関わる表現

付録3 アムド・チベット語に関する先行研究
1 音声・音韻
2 文法
3 辞書・語彙集
4 談話資料
5 学習用の教科書

参考文献
索引

【著者紹介】
東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。
日本学術振興会特別研究員(DC, PD)を経て、2018年より東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フェロー。
2003年より、アムド・チベット語を中心とし、チベット諸語の現地調査を続けている。





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