ひつじ書房 シリーズ社会言語科学 2 社会言語科学の源流を追う 横山詔一・杉戸清樹・佐藤和之・米田正人・前田忠彦・阿部貴人編 ひつじ書房 シリーズ社会言語科学 2 社会言語科学の源流を追う 横山詔一・杉戸清樹・佐藤和之・米田正人・前田忠彦・阿部貴人編
2018年9月刊行

シリーズ社会言語科学 2

社会言語科学の源流を追う

横山詔一・杉戸清樹・佐藤和之・米田正人・前田忠彦・阿部貴人編

装丁 渡部文

定価3900円+税 A5判上製カバー装 296頁

ISBN 978-4-89476-931-1

Pursuing the Origins of the Sociolinguistic Sciences

Edited by YOKOYAMA Shoichi, SUGITO Seiju, SATO Kazuyuki, YONEDA Masato, MAEDA Tadahiko, ABE Takahito

ひつじ書房



本書は2013年3月に統計数理研究所で開催されたシンポジウム『「ことば」と「考え方」の変化研究:社会言語学の源流を追って』にもとづいている。社会言語科学の新しい流れを形づくっている研究活動と、源流として今も流れ続けている調査研究をそれぞれ取り上げ、これから向かうべき方向を模索した。また、科学的データを収集する調査の実際やデータ解析の方法論についても分かりやすく解説した論文集である。
執筆者:阿部貴人・伊藤彰則・井上史雄・佐藤和之・佐藤亮一・杉戸清樹・中村隆・前田忠彦・前田理佳子・水野義道・御園生保子・森篤嗣・横山詔一・米田正人



目次


『シリーズ社会言語科学』刊行にあたって
まえがき

第1部 言語問題の発見と対応

第1章 言語問題キーワード集
1. 減災のための「やさしい日本語」
【1】 概説   水野義道
【2】 『災害が起こったときに外国人を助けるためのマニュアル』   御園生保子
【3】 外国人用地震災害基礎語彙100   佐藤和之
【4】 「やさしい日本語」の有効性検証実験   米田正人
【5】 日本在住外国籍社会人調査   水野義道
【6】 読み方スピード調査   伊藤彰則
【7】 やんしす 「やさしい日本語」化支援システム   伊藤彰則
【8】 やさしい日本語全国マップ   前田理佳子
【9】 「やさしい日本語」の放送用表現   前田理佳子
【10】 掲示物描き方規則   前田理佳子
【11】 「やさしい日本語」案文   御園生保子
2. 外来語言い換え提案   杉戸清樹
3. 「病院の言葉」を分かりやすくする工夫の提案   杉戸清樹
4. 言語問題への対応の広がり
【1】 概要   杉戸清樹
【2】 News Web Easy   阿部貴人
【3】 公的文書における〈やさしい日本語〉   森篤嗣
【4】 裁判員のために法廷用語をやさしく   杉戸清樹

第2章 「社会」を識別指標にする言語学
     「やさしい日本語」と鶴岡調査のウェルフェアを考える   佐藤和之
1. 社会言語学とウェルフェア
2. ウェルフェアは言語研究にどう機能するか
3. 社会言語学的研究の萌芽
4. 言語権を考える 公共の福祉から平等の保証へ
5. 「やさしい日本語」活用の広がり
6. ウェルフェアであるための言語研究者としての責任
7. 思想としての「やさしい日本語」研究と社会言語学
8. ウェルフェアを意識した言語調査のために
9. 鶴岡調査60年目の社会言語学的研究意義


第2部 世界最長の実時間研究 鶴岡調査

第3章 鶴岡調査から見る方言の将来   佐藤亮一・米田正人・水野義道・阿部貴人
1. 過去60年間の変化の概要
2. 発展的調査の目的と調査内容
3. 発展的調査の結果の概要
4. 経年調査と発展的調査の比較
5. 鶴岡市方言の現状と将来
6. 今後の課題

第4章 個人の言語変化をつかむ   横山詔一・中村隆・阿部貴人・前田忠彦・米田正人
1. はじめに
2. 調査デザイン
3. 鶴岡ネイティブの分析
4. 追跡データ全体の分析【参考データ】
5. 総合的考察

第5章 共通語化のスピード   井上史雄
1. はじめに 言語変化とS字カーブ
2. 言語変化のS字カーブモデルの研究史
3. 鶴岡調査と山添調査のS字カーブ
4. 言語変化の所要年数についての規定要因
5. 新方言の発見
6. 結論 言語変化とS字カーブ


第3部 言語の大規模社会調査 地域・職場・学校社会での言葉の使い分け研究

第6章 敬語調査、地域共通語調査、大都市言語調査、場面差調査
1. 地域社会の中の敬語使用と敬語意識 岡崎調査   杉戸清樹
1. どんな背景で、どんな目的を掲げたか?
2. 定点・経年 その1 同じ町・同じ人・繰り返し
3. 定点・経年 その2 同じことを同じように尋ねる
4. 見えてきたこと 属性と敬語の基本的な関係
5. 見えてきたこと いろいろな変化
2. 地域社会とは異なる社会集団の敬語使用と敬語意識
 職場社会と学校社会への調査の広がり   杉戸清樹
1. 職場社会の敬語調査
2. 学校社会の中の敬語
3. 地域共通語ができるまで 北海道調査   杉戸清樹
1. 地域共通語としての北海道共通語への着目
2. 移住世代の間の言語変容と北海道共通語
4. 大都市の言語生活   米田正人
5. 場面によることばの使い分け   米田正人


第4部 経年調査(実時間研究)データの解析事例

第7章 言語の経年変化をロジスティック曲線で予測する   横山詔一
1. はじめに
2. 予測モデルの説明
3. 言語変化予測の手順
4. 言語変化予測の結果
5. まとめ

第8章 反復横断調査とコウホート分析   中村隆
1. コウホート表
2. コウホートモデル
3. 識別問題
4. パラメータの漸進的変化の条件
5. ベイズ型モデル
6. モデル選択
7. 集計データと個票データ
8. パネル調査データのコウホートモデル
9. “他人の子供を養子にするか”(国民性調査)の分析結果
10. 共通語率“非鼻音・窓(マド)”(鶴岡R調査)の分析結果


第5部 鶴岡調査の研究資料

鶴岡調査データベースver.2.0解説(改訂版)




索引
執筆者紹介



編者紹介
横山詔一(よこやま しょういち)  国立国語研究所教授
杉戸清樹(すぎと せいじゅ)  国立国語研究所名誉所員
佐藤和之(さとう かずゆき)  弘前大学人文社会科学部教授
米田正人(よねだ まさと)  国立国語研究所名誉所員
前田忠彦(まえだ ただひこ)  統計数理研究所准教授
阿部貴人(あべ たかひと)  専修大学文学部准教授



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