技能を統合した英語学習のすすめ 小学校・中学校・高等学校での工夫と留意 中森誉之著 ひつじ書房 技能を統合した英語学習のすすめ 小学校・中学校・高等学校での工夫と留意 中森誉之著 ひつじ書房
2018年9月刊行

技能を統合した英語学習のすすめ

小学校・中学校・高等学校での工夫と留意

中森誉之著

定価2,400円+税

A5判並製カバー装

ISBN 978-4-89476-924-3

Integrated Foreign Language Skills at School
Takayuki Nakamori

ひつじ書房



【内容】
4技能試験、小学校英語、オールイングリッシュ……。英語教育改革がすすむ中で、小中高の各段階で何を学べばよいかを明示する。
日本の実情に則した、英語教授学習理論を提案する。学校教育課程において、何に注意して指導し、何をしてはいけないのかについて、理由とともに示す。最新の言語習得理論と認知科学、学校教育臨床研究の知見を踏まえて、我が国独自の英語学習指導があるべき姿を、教育学の立場から考究していく。ことばを学ぶこととは何かを問い直し、言語教育の原点回帰を図る。英語を外国語として学び育てる全ての人、必携の書。



【目次】


まえがき
段階性(レディネス)について

序章 4技能から統合技能へ
はじめに
 1. 英語学習指導の目的と目標
 2. 4技能の在り方
 3. 統合技能と言語教育学

第1章 これまでの英語学習指導
 はじめに
 1. 文法訳読法と構文解析技術
 1.1. 文法訳読法で可能になること
 1.2. 文法訳読法では実現できないこと
 1.3. 構文解析技術の効能
 1.4. 文字列の音声化
 2. 直輸入された技能学習指導法
 2.1. 言語環境の相違
 2.2. 教師が持つ言語知識の違い
 2.3. 理論基盤の変遷
 2.3.1. 伝統的な外国語教育理論
 2.3.2. 第二言語習得理論の脆弱性
 2.3.3. 日本の学界の現状
 3. 従来の英語教育を概括する

第2章 これからの英語学習指導
 はじめに
 1. どのように語彙・文法と技能は関係しているのか
 2. 運用能力育成に向けた語彙・文法の位置付け
 2.1. 語彙力と単語帳・単語テスト
 2.1.1. 語彙の学習経験
 2.1.2. 受容語彙と発表語彙
 2.2. 文法規則と用法・用例
 2.3. 新しい語彙・文法の学習指導教材
 3. 技能学習指導の順序性
 3.1. 技能導入の全体像
 3.2. 時間軸で整理した導入順序
 4. 日本の技能学習指導の拠り所
 5. 運用能力を育む教材・教具
 6. 今後の英語教育を展望する

第3章 技能学習指導への心組み
 はじめに
 1. 学習を誘導する音声
 1.1. 文字導入は慎重に
 1.2. 音声が支える言語知識
 1.3. 学習年齢に応じた模範音声
 1.4. 国際化時代の英語発音
 2. 教育学と心理学が説く学習指導の知見
 2.1. 記憶の原理
 2.1.1. 関連性と情報の取捨選択
 2.1.2. 理解
 2.1.3. 学習
 2.1.4. 熟達
 2.1.5. 語彙・文法学習への示唆
 2.2. 教育の枢要な観点
 2.3. 学習一般を促進する原理原則
 2.3.1. 学習意欲と自律
 2.3.2. 探究学習と知識の活用
 2.3.3. 説明
 2.3.4. 内省・省察
 3. 言語知識と言語技能の教育原理
 3.1. 分散練習、接触量と頻度
 3.2. 多様な文脈
 3.3. 感覚運動器官の自動調整と明示的知識の限界
 3.4. 対象の整理
 3.5. 英語能力成長の過程
 4. 学習者の個人差と学習指導
 4.1. 三タイプの学習者
 4.1.1. 視覚処理優勢型
 4.1.2. 聴覚処理優勢型
 4.1.3. 身体処理優勢型
 4.2. 自分はどのタイプか
 4.3. タイプ別の外国語学習方法
 4.3.1. リスニング
 4.3.2. やり取りのリスニング
 4.3.3. 音声による語彙と文法の学習
 4.3.4. ペア、グループ学習
 4.3.5. 討論や議論
 4.3.6. リーディング
 4.3.7. ライティング
 4.3.8. 自学自習、自律学習

第4章 統合技能の概説
 はじめに
 1. なぜ技能を統合するのか
 1.1. 統合技能とはなにか
 1.2. 統合技能の授業運営
 2. 統合技能に必要となる能力の育成
 2.1. 英語圏の教材とカリキュラム
 2.2. TOEFL® iBT
 3. どのように技能を統合するか
 4. 統合技能の学習指導
 4.1. 学習段階に合わせた統合方法
 4.2. 統合技能の校種別概要
 4.2.1. 中学校段階後半
 4.2.2. 高等学校段階前半
 4.2.3. 高等学校段階後半
 5. 英語母語話者教師に期待されること
 6. 学習指導要領と統合型の技能指導
 資料 一貫性のある技能学習指導に向けたカリキュラム設計

第5章 小学校段階の教育実践
 はじめに
 1. 小学校段階における認知発達の重要性
 1.1. 小学生と認知発達
 1.2. 他者とのかかわりと「心の理論」
 1.3. 認知発達と中学校入学試験
 1.4. 小学校英語教育で解決すべき「問い」
 2. 聞く活動
 2.1. 英語発音をたくさん聞く
 2.2. 日本語にはない音
 2.3. 日本語にはない響き
 2.4. リズム
 2.5. チャンツ
 3. 話す活動
 3.1. 耳が慣れてから発音練習を開始する
 3.2. 音声連続が導く自然な定型表現
 4. 文字とつづりの学習指導
 4.1. 文字の背後にある音
 4.2. フォニックス活用のタイミング
 4.3. つづりを見る意味
 4.4. 書写活動
 4.5. 鏡文字頻発の事態
 4.6. ローマ字表記の学習
 5. 教材・教具の活用法
 5.1. 音声面
 5.2. 表現面
 5.3. 文字とつづり
 6. 指導上の留意点
 6.1. 音声
 6.2. 文字
 6.3. 語彙
 6.4. 構造
 6.5. 運用
 7. 子どもを取り巻く言語環境―ヨーロッパの状況
 7.1. 母語話者が話す音声への接触
 7.2. 日常的な言語接触の大切さ
 7.3. 二言語使用と脳の活性化
 7.4. 意味理解の位置付け
 7.5. 母語能力の低下と喪失

第6章 中学校段階の教育実践
 はじめに
 1. 聞いて話す活動
 1.1. 句や文の聞き取り
 1.2. 高頻度語彙と文法形式の学習
 1.3. 発音記号と発音方法の振り返り
 1.4. 授業設計上の注意点
 1.5. 初級段階の学習目標と指導技術(聞く・話す)
 2. 読む活動
 2.1. 音読の役割
 2.2. 語順と修飾方向の理解
 2.3. 文章の理解
 2.4. 授業設計上の注意点
 2.5. 初級段階の学習目標と指導技術(読む)
 3. 書く活動
 3.1. 語彙と文法の知識を定着させる
 3.2. 自由作文は、まだ早い
 3.3. 授業設計上の注意点
 3.4. 初級段階の学習目標と指導技術(書く)
 4. 教材・教具の活用法
 4.1. 語彙と文法
 4.2. やり取りと発表
 4.3. 読むことと書くこと
 5. 指導上の留意点
 5.1. 音声
 5.2. 文字
 5.3. 語彙
 5.4. 構造
 5.5. 運用

第7章 高等学校段階の教育実践
 はじめに
 1. 聞いて話す・書く活動
 1.1. 文章の聞き取り
 1.2. 語彙と文法機能、用法・用例の学習
 1.3. 劇やスピーチの活用
 1.4. 聴解素材の要件
 1.5. 中級段階の授業設計上の注意点
 1.6. 中級段階の学習目標と指導技術(聞いて話す・書く)
 1.7. 上級段階の授業設計上の注意点
 1.8. 上級段階の学習目標と指導技術(聞いて話す・書く)
 2. 読んで話す・書く活動
 2.1. 音読に時間を割く不思議
 2.2. 単語テストと文法規則ドリルからの脱却
 2.3. 確実な理解を促す構造・構文と訳
 2.4. 選択肢問題の有効活用
 2.5. 未知語への対応
 2.6. 授業設計上の注意点
 2.7.  中級段階から上級段階の学習目標と指導技術(読んで話す・書く)
 3. 自由に話す・書く活動
 3.1. 話せなければ書けない
 3.2. 準備活動を充実させる
 3.3. 発表や論述は上級レベル
 3.4. 授業設計上の注意点
 3.5. 上級段階の学習目標と指導技術(自由に話す・書く)
 4. 大学入学試験で問う能力
 4.1. 目標であって目的ではない
 4.2. 統合技能試験と余波
 4.3. 統合技能と「英語が使える日本人」
 5. 教材・教具の活用法
 5.1. 聴解
 5.2. 発話(やり取りと発表)
 5.3. 読解
 5.4. 作文
 6. 指導上の留意点
 6.1. 音声
 6.2. 文字
 6.3. 語彙
 6.4. 構造
 6.5. 運用

第8章 新時代の英語教育を支える分野
 はじめに
 1. 音声学・音韻論の重要性
 1.1. 聴覚と調音の理解
 1.2. 音声変化対策
 1.3. 英語音声教育上の大切な観点
 1.3.1. 音素(母音・子音)
 1.3.2. 音節
 1.3.3. 単語、句、文
 1.3.4. 言語独自の呼吸法
 1.4. 母語同一化音声処理
 1.4.1. 母語同一化音声処理の克服必要性
 1.4.2. 母語同一化音声処理と年齢要因
 2. 語用論研究への期待
 2.1. 場面、文脈、状況とはなにか
 2.2. 文法の自然さと表現能力向上
 3. 認知科学の知見
 3.1. 入力系(音声・文字の解読)
 3.2. 中央系・処理系(意味の抽出と理解)
 3.3. 出力系(話す・書く)
 4. 新技術の可能性と活用
 4.1. 聴覚と調音器官への支援具
 4.2. 話す・書く仮想空間
 4.3. 人工知能の活用
 4.3.1. 人工知能の特徴と教材・教具開発
 4.3.2. 人工知能脅威論
 5. 自律する学習の意義
 5.1. 将来に向けた英語学習
 5.2. 英語科教員への継続的な支援

あとがき
索引




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