相互行為におけるディスコーダンス 言語人類学からみた不一致・不調和・葛藤 武黒麻紀子編 相互行為におけるディスコーダンス 言語人類学からみた不一致・不調和・葛藤 武黒麻紀子編
2018年5月刊行

相互行為におけるディスコーダンス
言語人類学からみた不一致・不調和・葛藤

武黒麻紀子編

装丁 大崎善治

A5判並製カバー装 280頁 定価3,200円+税

ISBN 978-4-89476-920-5

ひつじ書房
Discordance in Interaction: A Linguistic Anthropological View of Disharmony and Conflict
Edited by Makiko Takekuro


協調・調和ではないコミュニケーションのあり方を探るべく、不一致・不調和・葛藤を意味するメタ概念「ディスコーダンス」を新たな尺度として提案する。言語人類学の理論的視座を軸に、ディスコーダンスの理論的考察と、異文化、オンライン、儀礼、メディア翻訳がかかわる場面の分析から社会科学的な洞察を展開する論文集。
執筆者:浅井優一、荻原まき、小山亘、杉森典子、砂押ホロシタ、武黒麻紀子、坪井睦子、野澤俊介、山口征孝




【目次】

  会話の文字化記号

序章 ディスコーダンスと言語コミュニケーション 武黒麻紀子
1. 本書の目的 1
2. ‌ディスコーダンスをどうとらえるか―人間の「社会性」の一側面として
3. discordanceとディスコーダンス
4. 本書の構成


【第1部 日常体験としてのディスコーダンス】

第1章 必然性としてのディスコーダンス―在米日系企業における日米工員間の現場でのやり取りの事例 砂押ホロシタ
1. はじめに―実践共同体における驚きとしてのディスコーダンス
2. 調査現場―ミサキアメリカの事業展開と金型技術者の重要性
3. データ収集の方法
4. ディスコーダンスの事例―プレス機の不具合とその原因についてのやり取りの分析
5. ディスコーダンスの原因―「素直に従え」の金型技術者と「説明が欲しい」工員たち
6. 必然性としてのディスコーダンス
7. 結び―「驚き」から新しい常識へ常に発展途上の参与者たち

第2章 ディスコーダンス現象の遍在性―台湾原住民族へのインタビューの場の語りから 荻原まき
1. インタビューにおけるディスコーダンス現象を探る―偏在性とは
2. コミュニケーションとしてのインタビュー―言語人類学からのアプローチ
3. 社会記号論系言語人類学―「今ここ」と「過去」の語り
4. 台湾原住民族―歴史的、民族的、宗教的、言語的背景
5. 研究協力者とインタビュー分析―ディスコーダンスの射程
6. ディスコーダンス現象の偏在性―多重的、動的であるコミュニケーション
7. 展望―ディスコーダンス分析とコミュニケーション研究

第3章 ゴシップに見られるディスコーダンスの分析―衝突に発展させないストラテジー 山口征孝
1. 導入―ゴシップに見られるディスコーダンス分析の射程
2. ディスコーダンス現象を分析するための理論と概念
3. ゴシップのコンテクスト―実地調査の記録
4. 考察―ゴシップ分析からホワイト・マルチカルチュラリズム批判に向けて


【第2部 見えにくいディスコーダンスと見えるディスコーダンス】

第4章 調査者が構築するディスコーダンス―日本語母語話者女性による在日一世男性と韓国人女性の戦争の記憶インタビューの分析 杉森典子
1. はじめに―ディスコーダンスと言語イデオロギーの記号過程
2. 歴史背景―今も続く日本列島と朝鮮半島の近代
3. 韓国人の韓国語と在日の日本語についてのイデオロギー
4. 戦争の記憶インタビューにおけるディスコーダンス
5. おわりに―モノリンガル規範と言語的他者性が作り出す様々なディスコーダンス

第5章 ニュース・ディスコースにおけるディスコーダンス―語用・メタ語用としての翻訳の織り成す記号空間 坪井睦子
1. ポスト冷戦期の世界とメディアの言語
2. 言語実践としての報道と翻訳
3. 記号間翻訳としてのニュース・ディスコース
4. 国際ニュース・ディスコースにおけるディスコーダンス
5. おわりに

第6章 メタ語用としてのディスコーダンス―石垣島の「島と内地」の不一致を巡るコミュニケーション実践 武黒麻紀子
1. はじめに―なぜ石垣島なのか?
2. ディスコーダンス現象と理論的枠組み
3. 『合衆国』な石垣島―多様性と差異化のはざまで
4. 「島と内地」を巡る不一致が果たすメタ語用的機能の分析
5. おわりに―小さな島にみるディスコーダンスが示す社会関係

第7章 モノ、語彙、指標性―南太平洋の災因論的ディスコース 浅井優一
1. 序
2. 南太平洋の災因論
3. アンディ・リティアを巡るディスコース
4. 「モノ」が喚起する文化的カテゴリーとその序列
5. 結―モノ化した指標性、ズレの形象化


【第3部 社会記号過程としてのディスコーダンスと言語コミュニケーション】

第8章 「荒らし」と相互忘却 野澤俊介
1. はじめに
2. エスカレーション
3. 荒らし、群衆、おぞましいもの
4. 荒らしの記号的様相
5. 相互忘却―スルー、削除、放置、忌避
6. おわりに

第9章 社会言語学とディスコーダンスの空間―葛藤と合意の絡み合いによる現代世界の編成とプラグマティズムの原理 小山亘
1. 導入―コミュニケーション論における「葛藤」と「合意」
2. コミュニケーション研究の基底―プラグマティズムのコミュニケーション論における合意と葛藤
3. 社会記号論系言語人類学における合意と葛藤―適合性・適切さとその欠如、収束的適応と発散的適応
4. コード・スイッチングに見られるディスコーダンス―ミクロ・レベルでの不調和
5. 社会、および社会理論に見られる合意理論と葛藤理論との絡み合い―ミクロからマクロまで
6. 社会言語学・方言学における「葛藤」―相補的分裂生成と社会文化変容
7. 二重意識―マイノリティ意識とその一般性・普遍性

  あとがき
  索引
  執筆者紹介



【著者】
武黒麻紀子(たけくろ まきこ)
早稲田大学法学学術院教授。専門は社会言語学、語用論、言語人類学。 (主著・主論文)『言語の間主観性-認知・文化の多様な姿を探る』(編著、早稲田大学出版部、2011)、“Describing space as an intersubjective activity: Examples from Ishigaki” Papers on and around the Linguistics of BA(早稲田大学情報教育研究所、2017)
ご注文は、最寄りの書店さんでお願いします。
お店に在庫が無くても、お取り寄せができます。
書店が最寄りにない場合は、オンライン書店でご注文ください。

 

 



お急ぎの場合は、小社あてにご注文いただくこともできます。
郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をメールか、FAXでお知らせください。
新刊案内へ
ひつじ書房ホームページトップへ