「主題−解説」構造から見た韓国語 -n kes-itaと日本語ノダ 李英蘭著 「主題−解説」構造から見た韓国語 -n kes-itaと日本語ノダ 李英蘭著
2018年6月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第154巻

「主題−解説」構造から見た
韓国語 -n kes-itaと日本語ノダ

李英蘭著

ブックデザイン 白井敬尚形成事務所

A5判上製函入り 280頁 定価6,800円+税

ISBN 978-4-89476-910-6

ひつじ書房
A Study on ‘-n kes-ita’ in Korean and ‘noda’ in Japanese viewed from the Topic-Comment Structure
Youngran Lee


本書は、現代韓国語の-n kes-ita文を統語構造によって「名詞文」「擬似名詞文」「非名詞文」という三つに分類し、「主題−解説」構造の観点から考察することにより、これまで明確ではなかった-n kes-itaの基本的機能と-n kes-ita文の意味解釈プロセスによる全体像を提示する。そして、-n kes-ita文を日本語のノダ文と対照考察し、-n kes-itaとノダの根本的な違いは、両形式の「主題-解説」構造の違いに起因していることを提示する。


【目次】

はしがき
凡例


I kes-ita文

第1章 kes-ita文の基本的理解
1. kes-ita研究の背景と目的
2. kes-itaの概観
3. kes-itaの再構造化(Restructuring)
4. 従来におけるkes-itaの意味・機能
5. 従来のkes-ita研究の問題点と本書の立場

第2章 名詞性の度合いから見たkes-ita文
1. kesの代用テスト
2. 「-(u)m」名詞化辞への置き換えテスト
3. 「-kes-i anita(〜のではない)」否定テスト
4. 「-ita」抜きテスト
5. 分裂文の成立テスト
6. 名詞性の度合いから見たkes-ita文の三分類

第3章 「主題-解説」構造
1. 主題と「主題-解説」構造
2. kes-ita文の「主題-解説」構造
3. kes-itaの基本的機能(仮説)

第4章 名詞文としてのkes-ita文
1. 主題が構文明示的である場合
1.1 kesが具体的なものを指し示す場合
1.2 kesが抽象的なものを指し示す場合
1.3 kesが名詞化辞として働く場合
1.4 kesの指示対象の意味拡張
2. 主題が構文非明示的である場合
3. 名詞文としてのkes-ita文の意味解釈のプロセス

第5章 疑似名詞文としてのkes-ita文
1. 疑似名詞文としてのkes-ita文の意味解釈のプロセス
2. 言い換えを述べるkes-ita文
3. 結果を述べるkes-ita文
4. 理由を述べるkes-ita文
4.1 理由が話し手の領域に属する情報である場合
4.2 理由が話し手の領域に属する情報でない場合
5. 主観的解釈を述べるkes-ita文
6. 疑似名詞文としてのkes-ita文と非kes-ita文の違い

第6章 非名詞文としてのkes-ita文
1. 非名詞文としてのkes-ita文の意味解釈のプロセス
2. 後続発話への関連を示唆するkes-ita文

第7章 二次的な意味が現れるkes-ita文
1. 当為判断を表すkes-ita文
2. 忠告・命令を表すkes-ita文

第8章 kes-ita文の意味解釈のプロセス
1. kes-ita文の意味解釈のプロセス
2. kes-itaの基本的機能(修正案)


II kes-ita文とノダ文

第9章 ノダ文の基本的理解
1. ノダの概観
2. これまでのノダ
3. ノダと「主題−解説」構造

第10章 kes-ita文とノダ文との比較
1. 名詞文としてのkes-ita文とノダ文
2. 疑似名詞文としてのkes-itaとノダ文
3. 非名詞文としてのkes-ita文とノダ文

第11章 kes-itaと他の日本語との比較
1. kes-itaと「モノダ」
2. kes-itaと「コトダ」

第12章 課題と展望
1. 要約
2. 今後の課題

参考文献
用例出典
付録 用例数のまとめ
索引




【著者】
李英蘭(い よんらん)
〈略歴〉
1971年、韓国生まれ。1994年、三育大学英語英文学科卒業。2009年、東京大学大学院総合文化研究科修士課程終了。2016年、同研究科博士課程終了。博士(学術)。現在、同研究科学術研究員、白百合女子大学等非常勤講師。
〈主な論文〉
「韓国語の「-n kes-ita」文について:「主題-解説」構造の観点から」(2013年、『言語情報科学』11号)、「現代韓国語の「-n kes-ita」文の使用条件と文法化について:日本語の「ノダ」文との比較を中心に」(2013年、『韓国語学年報』9号)、「現代韓国語の「다가(taka)」のイメージ・スキーマと意味拡張」(2017年、『韓国語学年報』13号)



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