ひつじ書房 限界芸術「面白い話」による音声言語・オラリティの研究 定延利之編 ひつじ書房 限界芸術「面白い話」による音声言語・オラリティの研究 定延利之編
2018年2月刊行

限界芸術「面白い話」による音声言語・オラリティの研究

定延利之編

定価8800円+税 A5判上製カバー装 480頁

ISBN 978-4-89476-905-2

ブックデザイン 春田ゆかり

Studies in Spoken Language and Orality Culture with Special Focus on People’s Daily Funny Talks as Marginal Art

Edited by Toshiyuki Sadanobu

ひつじ書房



替え歌や落書きのような、素人による素人のための「芸術」を、哲学者・鶴見俊輔氏は「限界芸術」と呼んだ。だとすれば、職場や学校で「最近なんか面白い話ない?」「イヤそれがさぁ〜」と始まる「面白い話」も立派な限界芸術である。編者らはこの8年間、「面白い話」のコンテストを開いては、出品されたビデオ群をネットで公開してきた。音声言語やオラリティの研究のためである。では実際どう使えるか? 最初の試みがここにある。



目次
序章 限界芸術「面白い話」と音声言語・オラリティ
定延利之

第1章 「わたしのちょっと面白い話」の面白さ

1 パブリックな笑い、プライベートな笑い― ジョークと体験談に見る笑いの種類と文化の関係
山口治彦

2 「ちょっと面白い話」を通して現代社会の「笑いのコミュニケーション」を考える
瀬沼文彰

3 やりとりから生まれる面白さについて―「ちょっと面白い話」のツッコミを中心に
ヴォーゲ=ヨーラン


第2章 「わたしのちょっと面白い話」を用いた日本語研究

1 笑い話における言語・非言語行動の特徴― 関西の一般人と関西芸人の比較から
金田純平・波多野博顕・乙武香里

2 フィラー「コー」における心内情報処理
大工原勇人

3 話し言葉における「スゴイ」の副詞用法についての一考察
羅 米良

4 語りの構造をめぐって―「わたしのちょっと面白い話」から見えてくること
羅 希


第3章 「わたしのちょっと面白い話」を外国語に訳す

1 「わたしのちょっと面白い話」のフランス語訳をめぐって―フランス語訳をめぐる「後思案」
山元淑乃

2 「わたしのちょっと面白い話」の中国語訳をめぐって
新井潤・孟桂蘭

3 「わたしのちょっと面白い話」の英語訳をめぐって―日英の言語文化的異同とユーモア
森庸子・アンソニー=ヒギンズ

4 「わたしのちょっと面白い話」のロシア語訳をめぐって
イリーナ=プーリク・奥村朋恵


第4章 「わたしのちょっと面白い話」と日本語教育
1 「わたしのちょっと面白い話」コンテストに対する学習者の意識調査
宿利由希子・昇地崇明・仁科陽江・萩原順子・櫻井直子

2 「わたしのちょっと面白い話」から見た話し始めと話し終わり
三枝令子

3 「わたしのちょっと面白い話」を題材とした日仏遠隔授業の試み
林良子・国村千代

4 エスニック・ジョークと倫理
櫻井直子・ダヴィッド=ドゥコーマン・岩本和子・林良子・楯岡求美
(1)ベルギー人・オランダ人のジョーク―相互関係のバロメーター
櫻井直子・ダヴィッド=ドゥコーマン
(2)フランス語による「ベルギー小話」
岩本和子
(3)イタリアにおける「面白い話」とその文化的背景
林良子
(4)ロシアの笑い話におけるエスニック・ステレオタイプ
楯岡求美

5 プロフィシェンシーから見た「面白い話」
鎌田修


執筆者紹介
索引



編者紹介
定延利之(さだのぶ としゆき)
京都大学大学院文学研究科教授
[主な著書・論文]
『認知言語論』(大修館書店、2000)
『コミュニケーションへの言語的接近』(ひつじ書房、2016)


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