部活動の不思議を語り合おう 長沼豊著 部活動の不思議を語り合おう 長沼豊著
2017年8月刊行

部活動の不思議を語り合おう

長沼豊著

A5判並製 定価1,200円+税

カバーイラスト 飯山和哉

ISBN 978-4-89476-882-6

ひつじ書房

Let’s Discuss Wonders of Extracurricular Club Activities
NAGANUMA Yutaka



書評・記事が掲載されました
週刊教育資料No.1454 2017年11月13日号に「自著を語る」掲載
『社会新報』2017年12月6日(水)第4961号に書評掲載



【内容】
部活動は、教員の人生を破壊するブラックなものになってしまった。教員は、授業とは別に過重な労働を強いられ、断ることができない。過労による自殺者まででてしまっている。本来、生徒を育み、人生を豊かにするはずであったものが、ブラック部活とまで言われている。どうしてそうなってしまったのか。部活動の変革の機運の高まる中、部活動の歴史を振り返り、その重要性を認めつつ、打開策を様々な立場から考える。



【目次】
はじめに

1. いま部活動は
① 部活動の実態
②「部活問題対策プロジェクト」との出会い
③ それは「部活教」
④ 堺市の熱血先生の死
⑤ 本書の特徴と構成

コラム1 長沼と部活動(生徒・学生時代)「自主性とは何か」の巻

2. 部活動の何が不思議か 〜さまざまな課題と矛盾〜
(1)教員の勤務実態と部活動
① 過労死ラインを超える残業時間
② 5教科よりも長い部活動の時間
③ 9割近い教員が過労死ライン
④ 大幅な残業が常態化
⑤ 部活動過重負担への声
⑥ 過重負担への声を分析すると

(2)部活動の目的・目標を巡って
① 教育活動 vs. 選手育成
② 学習指導要領における位置づけは曖昧
③ 勝利至上主義への傾倒
④ 時間は際限なくできるという魔力
⑤ 部活動の教育的意義を問い直す
⑥ 手段としての部活動

(3)教員の労働と部活動
① 教員の勤務はどうなっているのか?
② 残業代はどうなっているか?
③ 顧問はボランティアではない
④ 働き方改革における課題
⑤ 教員は部活動中に居なければならないのか?

(4)生徒の強制入部の問題
① 1980 年代の生徒指導の影響
② 部活動でクラブ活動の代替とする措置の影響
③ クラブ活動の廃止の影響
④ 高圧的な指導のなぜ?

コラム2 長沼と部活動(中学校教員時代)「熱血BDK が新しい部を創る」の巻

3. 多様な立場から見た部活動
(1)「○○の立場」から見た部活動
① 生徒の立場から見た部活動
② 教員の立場から見た部活動
③ 保護者の立場から見た部活動
④ 校長の立場から見た部活動
⑤ 外部指導員から見た部活動
⑥ 教員の家族から見た部活動
⑦ 部活動を推進したい人々の立場から見た部活動
⑧ 文科省・教育委員会から見た部活動
⑨ そして… 

(2)部活動研究の動向

(3)部活動改革に関するWEB サイトの動向

コラム3 長沼と部活動(大学教員時代)「顧問を拒否する」の巻

4. 部活動改革への道筋
(1)動き出した2016年(部活動改革元年)
① 要望書・署名の文科省への提出
② その後の社会的動向
③ 長沼はどう動いたか?

(2)今後の改革の可能性
① 教員の顧問選択制は可能か?
② 生徒全員加入制の廃止は可能か?
③ 学校から地域への全面移行は可能か?
④ 部活動指導員の定着は可能か?

(3)持続可能な部活動へ向けた展望
①「多治見方式」から学ぶ
② 発展型としてのクラブ活動の導入
③ 段階的な改革プログラム
④ 今後の展望

おわりに


【著者紹介】
長沼 豊(ながぬま ゆたか)
学習院大学教授。文学部教育学科で教員養成に携わる。2017年4月から学科主任。
著書は『改訂第2版 特別活動概論』(久美、共編著、2014年)、『社会を変える教育 Citizenship Education―英国のシティズンシップ教育とクリック・レポートから―』(キーステージ21、共編著、2012年)、『実践に役立つボランティア学習の基礎理論』(大学図書出版、2010年)、『新しいボランティア学習の創造』(ミネルヴァ書房、2008年)、『親子ではじめるボランティア―社会性を育てるきっかけづくり―』(金子書房、編著、2003年)、『市民教育とは何か―ボランティア学習がひらく―』(ひつじ書房、2003年)など多数。


ご注文は、最寄りの書店さんでお願いします。
お店に在庫が無くても、お取り寄せができます。
書店が最寄りにない場合は、オンライン書店でご注文ください。

 

 



お急ぎの場合は、小社あてにご注文いただくこともできます。
郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をメールか、FAXでお知らせください。
新刊案内へ
ひつじ書房ホームページトップへ