現代日本語と韓国語における条件表現の対照研究 語用論的連続性を中心に ひつじ書房 現代日本語と韓国語における条件表現の対照研究 語用論的連続性を中心に 金智賢著 ひつじ書房
2018年3月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第150巻

現代日本語と韓国語における条件表現の対照研究

語用論的連続性を中心に

金智賢著

ブックデザイン 白井敬尚形成事務所

A5判上製函入り 208頁 定価6500円+税

ISBN 978-4-89476-876-5

ひつじ書房


A Contrastive study on conditionals in modern Japanese and Korean: focused on pragmatic continuity
Jihyun Kim


【内容】
本書は、現代日本語と韓国語の条件表現を対照的かつ統合的に分析することで、それぞれの言語の特徴を明らかにし、通言語的な現象としての条件表現を再考しようとするものである。特に、条件カテゴリー間の語用論的連続性に注目し、所謂条件と継起、理由、主題にわたる現象を有機的な連続体として把握することで、両言語の共通点や相違点を精密に記述するだけでなく、各言語の特徴的な現象を取り上げ、独自の枠組みでの分析を試みた。



【目次】

まえがき
韓国語例文のグロス

第1章 予測条件と前提条件の連続性
1. 仮定的条件と日韓対応形式
2. 予測条件と前提条件における語用論的連続性
2.1 語用論的連続性が起こる場合
2.2 語用論的連続性が起こらない場合
3. 予測性と前提性について
3.1 予測性と「バ」「myeon」
3.2 前提性と「ナラ」「damyeon」
4. 日韓の語用論的連続性の違い
4.1 予測条件の場合
4.2 前提条件の場合
5. 第1章のまとめ

第2章 前提条件と主題の連続性
1. 条件と主題の連続性について
2. 前提条件と主題
3. 前提条件と主題における語用論的連続性
4. 日韓の語用論的連続性の違い
5. 「ナラ」と「damyeon」の意味と主題
6. 第2章のまとめ

第3章 予測条件と継起の連続性
1. 仮定的条件と確定的条件の連続性と日韓対応形式
2. 「タラ」と「バ」の語用論的連続性と個別条件
2.1 「タラ」に置き換えにくい「バ」
2.2 「バ」と「タラ」の語用論的連続性が生じる場合
2.3 「バ」に置き換えにくい「タラ」
3. 継起の広がり
3.1 連続用法
3.2 きっかけ用法
3.3 発見用法
3.4 発現用法
4. 仮定的条件と確定的条件の境界
4.1 確定性と事実性
4.2 仮定性と確定性の語用論的境界
5. 第3章のまとめ

第4章 継起と理由の連続性
1. 「タラ」と「nikka」の接点と拡張
1.1 継起と「タラ」「nikka」
1.2 個別条件の「タラ」と理由の「nikka」
2. 継起性の二面性
2.1 継起から個別条件へ
2.2 継起から理由へ
3. 第4章のまとめ

第5章 日本語の「ト」について
1. 「ト」の特徴
2. 仮定的条件における「ト」
2.1 「ト」が可能な仮定的条件
2.2 「ト」が不可能な仮定的条件
3. 確定的条件における「ト」
3.1 継起と「状況性」
3.2 「ト」と「ja」
4. 第5章のまとめ

第6章 韓国語の「eoya」について
1. 「eoya」構文の広がり
2. 助詞「ya」と「eoya」
3. 「eoya」と必須条件
3.1 仮定的条件の接続表現
3.2 反事実条件
3.3 当為を表す文末表現
3.4 終結語尾化した表現
3.5 譲歩条件
4. 第6章のまとめ

第7章 譲歩条件の「逆説性」について
1. 譲歩条件のカテゴリー化をめぐって
1.1 条件表現の分類と譲歩条件
1.2 譲歩条件の意味特質
2. 譲歩条件の逆説性と「eoya」
2.1 「テモ」と「eodo」の逆説性
2.2 「eoya」の逆説性
3. 第7章のまとめ

第8章 条件の「テハ」と「eoseoneun」
1. 二つの「テハ」
2. 条件の「テハ」の用法と「eoseoneun」
2.1 「テハ」と対応する「eoseoneun」
2.2 「テハ」と対応しない「eoseoneun」
3. 「テ」と「eoseo」と条件
3.1 「テ」と対応形式の周辺
3.2 「テハ」と「eoseoneun」の条件形式化の違い
4. 第8章のまとめ

第9章 結論

参考文献
言語形式索引
事項索引


【著者紹介】

金智賢(きむ じひょん)
韓国大邱生まれ。1997年、慶北大学人文大学国語国文学科卒業。2003年、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2009年、同研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、宮崎大学語学教育センター准教授。

主な著書・論文
「現代韓国語の談話における無助詞について」(2009年、『朝鮮学報』210)、「無助詞及び「eun/neun」「は」、「i/ga」「が」と主題について」(2010年、『日語日文學硏究』72-1)、『教養韓国語 初級』(2015年、朝日出版社)、『日韓対照研究によるハとガと無助詞』(2016年、ひつじ書房)。



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