歴史会話研究入門 イェルク・キリアン著 細川裕史訳 歴史会話研究入門 イェルク・キリアン著 細川裕史訳
2017年3月刊行

歴史会話研究入門

イェルク・キリアン著

細川裕史訳

A5判並製カバー装 272頁 定価4,000円+税

装丁者 渡部文

ISBN 978-4-89476-845-1

ひつじ書房

Jörg Kilian
Japanese Translation by Hirofumi Hosokawa


【内容】

「歴史会話研究」、すなわち虚構の会話もふくめた「あらゆる年代の(文字化された)会話」を対象とした言語研究のための手引き書。本書の内容は、第1章と第2章が歴史会話研究における術語や概念の紹介、第3章から第6章が具体的な分析例の紹介となっている(会話の言語構造、語用論的機能、規範、歴史的変遷)。先行研究や分析例が豊富に紹介されているため、過去におこなわれた会話に関心のあるすべての学生・研究者にとって有意義といえる。


【目次】

日本語版まえがき
編訳者まえがき
まえがき

第1章 歴史会話研究:歴史語用論的な言語研究
 1.ことばと会話、歴史のかかわり方について
 2.研究対象、関心領域、研究状況
  2.1.研究対象の領域
  2.2.関心領域あるいは歴史会話研究の意義
  2.3.歴史会話研究の現状
 3.資料研究と資料批判

第2章 歴史会話研究のための研究方法とカテゴリー
 1.方法および目的としての再構築
 2.会話サンプル─会話種─会話タイプ─会話領域

第3章 歴史上の会話の言語構造:歴史上の会話における行為の方法と形式を再構築するには?
 1.会話のマクロ構造とメゾ構造
  1.1.マクロレベルにおける会話の局面の分析(1):開始部と終結部
  1.2.マクロレベルにおける会話の局面の分析(2):中心部
 2.会話のミクロ構造
  2.1.歴史上の会話の統語論
  2.2.歴史上の会話の語彙論
  2.3.歴史上の会話の形態論および音韻論

第4章 会話の歴史語用論:歴史上の会話種および会話タイプを再構築するには?
 1.機能および構造にもとづく歴史上の会話の分類:会話文法
 2.形式および構造にもとづく歴史上の会話の分類:会話布置の類型論
 3.語彙および意味論にもとづく歴史上の会話の分類:名称の類型論

第5章 会話の歴史社会言語学:歴史上の言語共同体における会話の規範を再構築するには?
 1.メンタリティ史
 2.会話をめぐるメンタリティ史の推測:「党派間協議」を一例として
 3.分析レベル:「原則」、「会話の公理」、「慣習」
  3.1.「原則」
  3.2.「会話の公理」
  3.3.「慣習」
 4.会話の歴史を分析するさいの対象範囲
  4.1.話者集団、制度、コミュニケーション実践領域
  4.2.テーマ
  4.3.コミュニケーションにおける行為やふるまいの形式、会話集、会話タイプ
  4.4.ディスコース

第6章 会話の歴史:会話種および会話タイプの発展
 1.会話における規範の変化としての会話の言語変化
  1.1.言語構造に関する逸脱とミクロの変遷
  1.2.語用論的な逸脱と会話種の変遷
  1.3.社会言語学的な逸脱とマクロの変遷
 2.ドイツ語の会話史への道

索引付き語葉集
参考文献一覧
著者・訳者紹介



【訳者紹介】
細川裕史(ほそかわ ひろふみ)
1979年広島生まれ。2013年キール大学でPh.D.取得。現在阪南大学准教授。専門は社会言語学、ドイツ語史。主な著作に、『想起する帝国―ナチス・ドイツ「記憶」の文化史』(共編著、勉誠出版、2017年)、『ドイツ王侯コレクションの文化史―禁断の知とモノの世界』(分担執筆、勉誠出版、2015年)、Zeitungssprache und Mündlichkeit: Soziopragmatische Untersuchungen zur Sprache in Zeitungen um 1850(Peter Lang、2014年)、『ドイツ奇人街道』(共著、関西大学出版部、2014年)、『講座ドイツ言語学第2巻 ドイツ語の歴史論』(分担執筆、ひつじ書房、2013年)など。


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