迷走する外国人看護・介護人材の受け入れ 布尾勝一郎 著
2016年11月刊行

迷走する外国人看護・介護人材の受け入れ

布尾勝一郎 著

A5判並製  定価1,600円+税

ISBN 978-4-89476-831-4

ひつじ書房

Problematic attitudes and systems related to the Acceptance of foreign nurses and care workers: What should we learn from our experiences?
Nunoo Katsuichiro


【内容】
少子高齢化を背景に、看護・介護人材の受け入れの必要性が叫ばれている。本書は、経済連携協定(EPA)に基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れを題材に、日本における日本語教育政策や言語文化観の問題点について論じた書である。国会や厚生労働省での議論や新聞報道の分析を通して、候補者受け入れがいかに場当たり的であったか、日本語学習やイスラム教についていかに粗雑な議論が行われてきたかを浮き彫りにする。今後の外国人受け入れについての示唆に富む1冊。

【目次】

目次


1章 外国人に対する日本語教育政策と言語文化観の問題
1 はじめに
2 本書の概要

2章 EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れの概要
1 日本による近年の外国人受け入れ
2 EPAとはなにか
3 看護師・介護福祉士候補者受け入れにいたる背景と経緯
4 候補者受け入れ枠組み
5 外国人受け入れ政策の観点から見たEPA枠組みの特徴
6 日本語教育の観点から見た枠組みの特徴

3章 受け入れの問題点と日本政府の対応
1 受け入れ枠組みの問題点
2 国家試験合格率の低迷
3 日本政府によるこれまでの追加施策
4 本章のまとめ

4章 国会における議論
1 国会会議録の分析
2 EPA承認前の議論の分析
3 候補者受け入れ開始後の議論の分析
4 外国人排斥につながる談話
5 国会において不在となっていた議論
6 本章のまとめ

5章 厚生労働省有識者検討会における議論
1 本章の概要
2 有識者検討会について
3 検討会の問題点
4 言語教育政策に関連する問題点
5 本章のまとめ―「アリバイ」「消化試合」としての検討会

6章 候補者受け入れに関する新聞報道
1 新聞報道における議論
2 全国紙5紙の報道の実態
3 EPA看護師・介護福祉士候補者に関する報道の推移
4 インドネシア人候補者来日当初の報道
5 国家試験合格率についての報道
6 本章のまとめ

7章 結論—候補者受け入れから学ぶべきこと
1 本書のまとめ
2 今後の課題と展望


あとがき
参考文献
索 引


【編者紹介】
布尾勝一郎(ぬのお かついちろう)
1971年大阪府高石市生まれ。佐賀大学全学教育機構准教授。京都大学文学部哲学科社会学専攻を卒業後、日本経済新聞記者・海外バックパッカー生活を経て日本語教育の世界に。インドネシアや関西で働いた後、財団法人海外技術者研修協会(AOTS)において、EPA看護師・介護福祉士候補者に対する日本語教育関連の業務全般を経験。独立行政法人国際交流基金(JF)を経て、2013年から現職。大阪大学大学院言語文化研究科修了。博士(言語文化学)。おもな著作に『ことばの「やさしさ」とは何か-批判的社会言語学からのアプローチ』(共著、三元社、2015)などがある。


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