語構成の文法的側面についての研究 斎藤倫明 著 ひつじ書房 語構成の文法的側面についての研究 斎藤倫明 著
2016年9月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第139巻

語構成の文法的側面についての研究

斎藤倫明 著

ブックデザイン 白井敬尚形成事務所

A5判上製函入  定価6,300円+税

ISBN 978-4-89476-809-3

ひつじ書房

A Study on the Grammatical Aspect of Word Formation
Michiaki Saito


【内容】

本書は、「語構成の文法的側面」に関し、語構成内部の問題(語構成要素の分類と品詞分類との異同、語構成要素間の関係とシンタックスとの異同)と語構成論と文法論との関わりの問題(語形成・活用・言語単位といった語構成の一側面に従来の文法論がどう向き合ってきたか)という観点から論点を絞って論じたものである。日本語学における語構成論の立場から、今、文法論との関わりで何を問題にしうるかの一端を提示した書である。


目 次

Ⅰ 語構成の文法的側面についての研究

第1部 序 語構成の文法的側面とは

第1章 複合字音語基の分類
第1節 合成形式専用の複合字音語基の位置づけ
1. はじめに
2. 先行研究と本節の立場
3. 位置づけの前段階的考察―自立形式との連続性
4. 従来の複合語基分類について
5. 合成形式専用類の位置づけと分類
6. まとめと今後の課題

第2節 複合字音語基用言類の位置付けと下位分類―漢語動名詞との
関わりで
1. はじめに
2. 先行研究と本節の立場
3. 複合字音語基分類の前段階的考察―語レベルの分類
4. 複合字音語基の下位分類―「用言類」と「体言類」
5. まとめと今後の課題

第3節 複合字音語基相言類の位置づけと下位分類―漢語形容動詞語幹との関わりで
1. はじめに
2. 従来の複合字音語基分類
3. 従来の分類の問題点―相言類を考えるに当たって
4. 考察
5. まとめと今後の課題

第4節 複合字音語基「兼用」類
1. はじめに
2. 従来の兼用に対する捉え方とその問題点
3. 兼用の在り方―用言類の場合
4. 兼用の在り方―用言類以外
5. 「兼用」を考える上での問題点
6. 「兼用類」の位置づけ
7. まとめと今後の課題

第2章 語構成要素間に見られるヴォイス的関係
第1節 複合語に見られる受身的関係
1. 複合語に見られる直接的な受身的関係
2. 複合語に見られる間接的な受身的関係

第2節 複合語に見られる使役的関係
1. はじめに
2. 語構成要素間に直接的な使役的関係が見られる場合
3. 語構成要素間に間接的な使役的関係が見られる場合
4. おわりに

第3章 語構成と品詞―「以上」をめぐって
第 1 節 現代語における考察
1. はじめに
2. 本節の基本的な考え方
3. 分析対象の選定
4. 「以上」の意味・用法
5. 意味・用法間の関係―品詞の転換に関わるか否か 
6. 意味・用法と語構成との関わり
7. 「以〜」における「以上」の位置
8. おわりに

第2節 通時的考察―語構成史の考え方
1. 語構成をどう考えるか
2. 語構成史をどう考えるか
3. 複合動詞の歴史
4. 「以上」の語史―語構成史の一環として
5. おわりに

第4章 語構成と選択制限―文法と語彙の間
1. はじめに
2. 先行研究―語形成と選択制限
3. 動詞由来複合語における内項規則
4. 本章の語形成に関する基本的枠組み
5. 考察
6. おわりに


II 語構成と文法論との関わり

第2部 序

第1章 単語中心主義と語形成論
1. はじめに―問題提起 251
2. 語構成論における単語中心主義―問題点の確認
3. 語構成論における単語中心主義―問題点の解決
4. 具体例による検討―〈人〉を表わす字音接尾辞を例として
5. おわりに

第2章 松下文法の活用論―原辞論と詞論
1. はじめに―問題のありか
2. 松下文法の活用論―基本的な考え方とその問題点
3. 鈴木による松下文法批判の背景
4. 鈴木の批判への批判―文法論の構成をどう考えるか
5. おわりに

第3章 言語単位と文法論
第 1 節 言語単位から見た文法論の組織
1. はじめに
2. 語構成について
3. 文構成について
4. 語と文の成分との関係
5. おわりに

第2節 時枝文法の「句」は言語単位か―言語単位再考
1. はじめに
2. 「句」の内実とその問題点
3. 「句」をどう理解するか
4. 言語単位論の観点から
5. 文法論と言語単位―文法論にとって言語単位はどういう存在か
6. おわりに―まとめと今後の課題

あとがき

参考文献
初出一覧
索引





【著者紹介】
斎藤倫明(さいとう みちあき)1954年青森県生まれ。1979年東北大学大学院前期2年の課程修了。神戸山手女子短大、宮城教育大学を経て、現在、東北大学大学院教授。1997年東北大学より博士(文学)取得。
『現代日本語の語構成論的研究—語における形と意味—』(1992年、ひつじ書房)、『語彙論的語構成論』(2004年、ひつじ書房)、『日本語語彙へのアプローチ—形態・統語・計量・歴史・対照—』(編著、2015年、おうふう)

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