コミュニケーションのダイナミズム 井出祥子・藤井洋子監修 藤井洋子・高梨博子 編 コミュニケーションのダイナミズム 井出祥子・藤井洋子監修 藤井洋子・高梨博子 編
2016年3月刊行

シリーズ 文化と言語使用 1

コミュニケーションのダイナミズム

自然発話データから

井出祥子・藤井洋子監修 藤井洋子・高梨博子 編

ブックデザイン 大崎善治

A5判並製  定価2,600円+税

ISBN 978-4-89476-791-1

ひつじ書房

The Hituzi Series on Culture and Language Use (Volume 1)
Series Editors, Sachiko Ide and Yoko Fujii
Dynamics of Communication: Analyses of Natural Discourse Edited by Yoko Fujii and Hiroko Takanashi


【内容】

シリーズ「文化と言語使用」第1巻。日本語の言語使用にみる「場」の共創、感情表出の指示詞、反応発話、即興的に生まれる遊びや身体化の視点から言語コミュニケーションのメカニズムや多様性、ダイナミズムについての考察を展開する。 執筆者:熊谷智子、菅原和孝、鈴木亮子、高梨博子、成岡恵子、藤井洋子

【目次】

シリーズ『文化と言語使用』刊行にあたって
まえがき


日本人のコミュニケーションにおける自己観と「場」
 ―課題達成談話と人称詞転用の分析より― 藤井洋子
1. はじめに
2. 課題達成のための言語コミュニケーション
2.1 課題達成談話データ
2.2 全体的特徴
3. 課題達成のための相互行為における言語的特徴
3.1 アイデアの提案と意見の提示
3.2 ストーリーの共同構築 
3.3 言語文化による相互行為のあり方
4. 日本人とアメリカ人の相互行為における異なる自己観
5. 自他融合的相互行為における言語実践―自称詞と対称詞
5.1 日本語の親族呼称における視点の移動
5.2 一人称詞の二人称詞への転用
5.3 人称詞の変遷
6. 日本人のコミュニケーションにおける自己観と「場」
7. おわりに


相互行為からみた指示詞と社会文化的コンテクスト 成岡恵子
1. はじめに
2. 日本語指示詞の先行研究
3. 相互行為における日本語指示詞の使用と社会文化的コンテクスト
3.1 指示詞から指標される社会文化的コンテクスト
3.2 相互行為の中の「これ・それ・あれ」「この・その・あの」
4. 機能的文法要素と社会文化的コンテクスト
5. おわりに


会話における動詞由来の反応表現
 ―「ある」と「いる」を中心に― 鈴木亮子
1.はじめに
2.データの概要
3. 「 ある」と「いる」
―存在動詞としての用法と反応表現としての用法
3.1 「ある」
3.2 「いる」
3.3  動詞から反応表現へ
―1990 年代と2010 年代の「ある」と「いる」
3.4 まとめ
4. 存在の動詞から反応表現へ―まとめと今後の課題


面接調査談話における〈出演者〉のプレイ 熊谷智子
1. はじめに
2. 分析に用いる概念
3.データの概要
4.面接調査にあらわれたプレイ
4.1 回答者B の録画に対する意識のあらわれ
4.2 回答者A と〈出演者〉のプレイ
4.3 共感に伴う三者間での〈出演者〉のプレイ
5.プレイの背景には何があるのか
5.1 〈出演者〉のプレイと冗談のフレーム
5.2 「視覚的提示」と「編集によるカット」
5.3 行動パターンのくり返しと共感
6.おわりに


遊び心での即興劇共演のダイナミズム
―スピーチスタイルの響鳴とそのメカニズムの分析― 高梨博子
1. はじめに
2. 分析の主要概念
2.1 会話における「遊び」
2.2 フレーミングの概念
2.3 「スピーチスタイル」の仮想的用法
3. データと分析の手法
4. スピーチスタイルの響鳴の分析
4.1 同一人物像の共演
4.2 相補的人物像の共演
5. 分析結果のまとめ
6. メタメッセージによる「ミクロとマクロの融合」


土着概念をめぐる交渉
―狩猟採集民グイにおける言語人類学レッスン― 菅原和孝
1. 言語と身体化―理論的背景とフィールド
1.1 コミュニケーションの力動と分野境界
1.2 現成と構造的カップリング
1.3 グイ・ブッシュマンの社会
2. 談話分析と背景知
2.1 異文化における会話の分析
2.2 言語学者との協同研究
2.3 談話理解の前提となる背景知
3. 土着の概念への接近―キマをめぐって
3.1 異質な因果論
3.2 キマとは何か?
4. 談話分析に現れるキマ
4.1 参与者の来歴と社会関係 4.2 キマと呪詛
4.3 食物タブーとの関連
4.4 性的なタブーとの関連
4.5 相互行為の構造
5. コミュニケーションのダイナミズム―討論と結論
5.1 言語人類学レッスンから学んだこと
5.2 意味論的な探究の挫折
5.3 関係性の現成

索引
執筆者紹介





【監修者・編者紹介】
井出祥子(いで さちこ) 日本女子大学名誉教授
藤井洋子(ふじい ようこ)日本女子大学教授
高梨博子(たかなし ひろこ)日本女子大学文学部英文学科准教授


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