ひつじ書房 方言を伝える 大野眞男・小林隆編 定価1700円+税  方言を伝える 大野眞男・小林隆編 定価1700円+税 
2015年5月刊行

方言を伝える

3.11東日本大震災被災地における取り組み

大野眞男・小林隆編

四六判並製 280頁 定価1700円+税

ISBN 978-4-89476-757-7

装丁 渡部文

ひつじ書房

Transmitting dialects to the next generation: endeavors to revitalize and maintain local dialects in the 2011 Tōhoku earthquake tsunami stricken areas

Edited by Makio Oono and Takashi Kobayashi



東日本大震災の発生から4年が経過した。本書では、危機に瀕した被災地域の方言を活性化し次世代に伝えることを通して、社会文化的側面から地域再生の足掛かりを築いていこうとする取り組みを紹介する。方言を次世代に伝えるための記録や学習材の作成、 方言を使用できる場の設定など、言語研究者が考えるべきこと、行うべきことは何かを議論する。


目次


はじめに

第一部 方言を伝えるために



第一章 方言の継承における研究者の役割 大野眞男
一 「方言を伝える」とは?
二 方言を伝えるためのプログラム
三 東日本大震災と方言の危機的状況の判断
四 「伝える」ことを阻害する要因について
五 次世代に「伝える」ために

第二章 地域の人々の方言に寄せる思い
—福島県被災地方言の継承に向けた取り組み— 半沢康・小林初夫

一 方言意識をとらえる
二 県外の借り上げ住宅等で生活されている方々に対する調査結果
三 相馬・双葉地方から避難された方々へのインタビュー
四 おわりに

第二部 伝えるために会話を記録する



第三章 方言談話が伝える震災と民俗 —茨城と福島の談話を中心に— 杉本妙子
一 方言談話とは
二 各地の談話とその分類・内容
三 震災の記憶・記録の談話、民俗の談話
四 今後の課題

第四章 言語生活の記録
—生活を伝える方言会話集— 小林隆・内間早俊・坂喜美佳・佐藤亜実
一 伝えるための記録
二 会話で残す言語生活
三 言語行動の目的に沿って
四 会話場面を設定する
五 記録された会話例
六 これからのために

第三部 伝えるために学習材を作る



第五章 方言を掘り起こす —「岩手県郷土教育資料」とその学習材化の可能性—  小島聡子・竹田晃子
一 郷土教育運動と郷土調査
二 郷土調査資料の概要
三 資料内容の特徴
四 地域教材としての可能性

第六章 方言教科書 —茨城方言テキストの作成— 杉本妙子
一 伝えるための手段としての方言教材
二 「方言」の小中学校国語教科書での扱いと地域の方言教材の必要性
三 地域の方言の学習教材の事例
四 茨城方言テキストの試作
五 「試作版」の課題

第四部 伝えるために方言に触れる場を作る



第七章 語りの会 発信!方言の魅力 —南部弁トークショー・方言で語る昔コ・津波体験紙芝居 — 今村かほる
一 はじめに
二 方言に関する意識
三 方言は地域を越えられるのか?
四 方言に触れる場を作る
五 おわりに

第八章 地域の言葉で昔話を語り継ぐ活動 大野眞男・竹田晃子
一 昔話を語るということ
二 昔話を語る「漁火の会」
三 昔話を語ることの支援

第九章 方言教室 —方言アフレコ体験ワークショップ— 神田雅章・武田拓・鈴木仁也
一 はじめに
二 映像を使ったアフレコ体験ワークショップの目的と意義
三 映像制作に当たって
四 ワークショップ実施に当たって
五 方言アフレコ体験ワークショップの総括
六 今後の可能性・発展性
七 おわりに

あとがき
執筆者紹介



編者:大野眞男(岩手大学教授)/小林隆(東北大学教授)
執筆者:今村かほる、内間早俊、大野眞男、神田雅章、小島聡子、小林隆、小林初夫、坂喜美佳、佐藤亜実、杉本妙子、鈴木仁也、竹田晃子、武田拓、半沢康
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