日・英語談話スタイルの対照研究 津田早苗・村田泰美・大谷麻美・岩田祐子・重光由加・大塚容子著 日・英語談話スタイルの対照研究 英語コミュニケーション教育への応用
津田早苗・村田泰美・大谷麻美・岩田祐子・重光由加・大塚容子著
2015年3月

シリーズ言語学と言語教育 35

日・英語談話スタイルの対照研究

英語コミュニケーション教育への応用

津田早苗・村田泰美・大谷麻美・岩田祐子・重光由加・大塚容子著

装丁者 吉岡透(ae)/明田結希(okaka design)

A5判上製 定価4,000円+税

ISBN 978-4-89476-738-6

ひつじ書房

A Contrastive Study of Japanese and English Spoken Discourse Styles:Towards Effective English Communication Education
Sanae Tsuda,Yasumi Gee Murata,Mami Otani,Yuko Iwata,Yuka Shigemitsu,Yoko Otsuka 



日本人が英会話が苦手な理由の一つに、日・英語間のコミュニケーションスタイルの違いがある。さらにその背後には、各言語話者の間では暗黙の了解となっている円滑な会話のための決まり事の違いがある。本書は英語教育を視野に入れつつ、「自己開示」「質問・応答」「相づち」「他者修復」「ターン」「話題展開」という相互作用社会言語学の観点から、日・英語会話の「暗黙の決まりごと」の解明を試みた意欲的な研究書である。




目次

まえがき
  
第1章 ‌日本人にとっての英語コミュニケーションの壁
―本研究の目的と位置づけ― 
大谷麻美
1.本研究の背景
2.コミュニケーションのスタイル
3.求められるコミュニケーション能力
4.見えてくる課題
5.本研究の目的と理論的枠組み
6.データの特徴
7.本書の構成

第2章 分析会話データについて
津田早苗
1.会話データの概要
2.英語母語話者間会話
 2.1 アメリカ英語会話
 2.2 オーストラリア英語会話
 2.3 イギリス英語会話
3.日本語母語話者間会話
4.異文化間会話
 4.1 異文化間会話(英語)
 4.2 異文化間会話(日本語)
5.会話の文字化に用いた記号

第3章 ‌‘We had a good conversation!’ ―英語圏の‘Good conversation’とは―
重光由加
1.はじめに
2.フォローアップ・インタビューの実施について
3.回答より
 3.1 会話の場面設定について
 3.2 初対面会話で気をつけること
 3.3 満足感の得られる会話
 3.4 苦手な会話
 3.5 初対面会話で好まれる話題
 3.6 会話の参加者をどのようにとらえるか
4.おわりに

第4章 ‌日・英語初対面会話における自己開示の機能
岩田祐子
1.はじめに
2.自己開示とは
3.話し手と聞き手の共同構築としての自己開示
4.分析データ
5.分析方法
6.分析結果―いつ自己開示するのか―
7.分析結果―誰が開示するのか(聞き手の役割)―
8.分析結果―何を自己開示するのか(自己開示の内容)―
 8.1 自分についての情報開示
 8.2 自分にとってマイナスの情報提示
 8.3 自分の意見も明確に表明
 8.4 自分の意見を支える体験談としての自己開示
 8.5 話し手へのラポールを示す聞き手の自己開示
9.分析結果―どの程度自己開示するのか―
10.考察―なぜ自己開示するのか(自己開示の機能)―
 10.1 距離を縮める機能
 10.2 アイデンティティの構築としての機能
 10.3 話し手へのラポールを示す機能(聞き手の自己開示)
 10.4 会話を発展させる機能
11.日・英語の初対面会話で期待される自己開示における相違点
 11.1 自己開示は初対面会話で期待されているのか
 11.2 自己開示の内容
 11.3 自己開示の程度
 11.4 聞き手の役割
12.おわりに―英語教育への示唆―

第5章 ‌日・英語の男性初対面母語会話に見られる
応答要求発話―応答の連鎖―
重光由加
1.はじめに
2.日本人が英語を話すときに見られる問題点
3.会話の中の応答要求発話―応答連鎖について―
4.分析方法
 4.1 分析データ
 4.2 分析の方法と分析の枠組み
 4.3 応答要求発話の種類と機能
  4.3.1 真偽疑問文
  4.3.2 補充疑問文
  4.3.3 選択疑問文
  4.3.4 付加疑問文または同等の働きをもつ文
  4.3.5 順番配布を主眼とした疑問文
  4.3.6 ニュースマークス
 4.3.7 ほのめかし応答要求発話
 4.4 応答の分析について
5.分析結果
 5.1 応答要求発話数
 5.2 応答要求発話の種類
 5.3 応答について
  5.3.1 補充疑問文への応答
  5.3.2 選択疑問文への応答
  5.3.3 順番配布への応答
  5.3.4 ほのめかし応答要求発話への応答
  5.3.5 真偽疑問文への応答
  5.3.6 付加疑問文への応答
  5.3.7 ニュースマークスへの応答
 5.4 くりかえし見られた応答要求発話―応答のパターン―
6.総合的考察とまとめ
7.おわりに

第6章 ‌日・英語の他者修復
―母語話者間会話と異文化間会話の比較―
津田早苗
1.はじめに
2.他者修復の先行研究と分類
3.他者修復と他の分析項目との関連
4.分析
 4.1 分析データ
 4.2 他者修復の分類
 4.3 分析方法
5.分析結果
 5.1 量的分析
 5.2 質的分析
  5.2.1 他者修復の典型的用例
  5.2.2 驚き、興味などをあらわす他者修復
6.おわりに

第7章 ‌日・英語の初対面3人会話におけるあいづち
大塚容子
1.はじめに
2.あいづちの研究
3.あいづちの定義
4.分析データ
5.分析結果
 5.1 あいづちの頻度
 5.2 あいづちの種類
 5.3 あいづちの出現位置
6.考察―日・英語あいづちスタイルの相違―
7.おわりに

第8章 ‌話題展開スタイルの日・英対照分析
―会話参加者はどのように話題の展開に貢献するのか―
大谷麻美
1.はじめに
2.本研究のきかっけ
3.先行研究と問題の所在
4.本研究の目的
5.話題とTopic Framework
6.Topic Frameworkの認定
7.話題の展開
8.分析データ
9.分析
 9.1 各会話のTopic Framework数
 9.2 話題展開スタイルの質的分析
  9.2.1 Interactive Style
  9.2.2 Duet Style
  9.2.3 Monologue Style
  9.2.4 混合スタイル
 9.3 話題展開スタイルの量的分析
10.考察―話題展開スタイルの相違とその文化的背景―
11.英語教育への示唆
12.おわりに

第9章 ‌日・英・米・豪の母語会話および異文化間会話から見るターンと発話量
村田泰美
1.ターンと発話量に関する研究
2.本研究の目的
3.研究の方法
 3.1 分析データ
 3.2 ターンとあいづちの数え方
 3.3 発話量の計量方法
4.分析
 4.1 日・英・米・豪の会話全体におけるターン数と発話量
 4.2 日・英・米・豪の会話における会話参加者のターン数と発話量の配分と比較
 4.3 日・英・米・豪の会話に現れたターンの種類
 4.4 英語異文化間会話
 4.5 日本語異文化間会話
5.まとめと考察
補遺 地域別ターンおよび発話量の素データ

第10章 英語会話と日本語会話の構造
岩田祐子
1.はじめに
2.英語会話の構造と特徴
 2.1 英語会話における話し手の役割
 2.2 英語会話における聞き手の役割
 2.3 英語会話の構造
 2.4 英語会話の構造の背後に見える特徴
3.日本語会話の構造と特徴
 3.1 話し手の役割
 3.2 聞き手の役割
 3.3 日本語会話の構造
 3.4 日本語会話の構造の背後にある特徴
4.英語会話と日本語会話の類似点と相違点
 4.1 英語会話と日本語会話の類似点
 4.2 英語会話と日本語会話の相違点
5.おわりに

第11章 語用指標とその英語教育への応用
村田泰美
1.目指したもの
2.英語教育と語用規則
 2.1 どの語用規則か
 2.2 明示的指導か暗示的指導か
3.CEFR-Jと語用規則


索引
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著者紹介
津田早苗(東海学園大学名誉教授)
村田泰美(名城大学教授)
大谷麻美(京都女子大学准教授)
岩田祐子(国際基督教大学教授)
重光由加(東京工芸大学教授)
大塚容子(岐阜聖徳学園大学教授)




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