ひつじ書房 柳田方言学の現代的意義 あいさつ表現と方言形成論 小林隆編 ひつじ書房 柳田方言学の現代的意義 あいさつ表現と方言形成論 小林隆編
2014年7月刊行

柳田方言学の現代的意義

あいさつ表現と方言形成論

小林隆編

A5判上製 416頁 定価5700円+税

ISBN 978-4-89476-719-5

装丁 萱島雄太

ひつじ書房

The Modern Significance of Yanagita Kunio's Dialectological Studies: Greeting Expressions and Dialect Formation
Edited by Takashi Kobayashi



本書は、柳田国男の没後50年を記念して企画された論文集である。日本の近代方言学に大きな影響を与えた柳田の研究は、その後どのように発展し、現在の方言学に流れ込んでいるのか。本書では、柳田方言学の現代的な意義を、あいさつ表現研究と方言形成論の2つのテーマについて明らかにし、これからの方言研究の新たな可能性を発掘していく。
執筆者:有元光彦、大西拓一郎、小川俊輔、沖裕子、岸江信介、熊谷康雄、小林隆、渋谷勝己、瀬戸口修、田島優、中井精一、中西太郎、灰谷謙二、日高水穂、町博光、鑓水兼貴


■目次


まえがき 柳田方言学の継承と展開  

第1部 あいさつ表現


あいさつ表現の体系  町博光
1. 「あいさつことば」か「あいさつ表現」か
2. あいさつことばの記述
3. 『毎日の言葉』のあいさつ表現
4. 藤原の「あいさつことばの分類」
5. 表現法の中のあいさつ表現
6. 『 毎日の言葉』から 『ゆたかな言語生活のために:方言から見た国語』へ

あいさつ表現法の実態 種子島方言の今昔:表現法の消長  瀬戸口修
1. はじめに
2. 「あいさつ表現」の定義
3. 2 回の調査による記述
4. おわりに

感謝のあいさつ表現  田島優
1. はじめに
2. 感謝表現についての柳田の論
3. 文献から見た感謝表現の発想の変遷
4. 感謝表現の発想と分布状況
5. 今後のあいさつ表現研究や分布解釈における発想の応用について

柳田が導く日中の出会いのあいさつ表現研究の可能性   中西太郎
1. はじめに
2. 時間ごとのあいさつ表現に対する柳田の指摘
3. 本論のねらいと資料について
4. 各語形の分布、及びその特徴
5. あいさつ表現形成論への視座
6. まとめ及び今後の研究課題

「田畑からの帰り道でのあいさつ」にみられる 表現発想と都市化  灰谷謙二
1. はじめに
2. 「田畑からの帰り道でのあいさつ」
3. 広島市太田川流域の分布にみる都市化傾向
4. まとめ

あいさつ表現の発想法と方言形成 入店のあいさつを例に   小林隆
1. 本論のねらい
2. 柳田の考察と課題
3. 新たな調査から見えてくるもの
4. 入店のあいさつの方言形成
5. 発想法から見た方言形成
6.まとめ

方言にみる頼みかたの表現と発想  沖裕子
1. 日本語の「あいさつ」
2. 柳田国男『毎日の言葉』の現代的意義と本論の目的
3. 頼みかたの組み立ての地域差
4. 頼みかたの表現類型の地理的変異
5. 地理的分布と密度
6. 頼みかたにみる現代日本語の表現と発想
7. 依頼表現研究における資料の位置づけ
8. おわりに

第2 部 方言形成論

言語地理学と方言周圏論、方言区画論  大西拓一郎
1. はじめに
2. 方言学と方言周圏論、方言区画論
3. 方言周圏論
4. 方言区画論
5. 言語地理学
6. むすび

方言周圏論の発想とシミュレーションという方法  熊谷康雄
1. 柳田国男の方言周圏論からシミュレーションにどうつながるか
2. 柳田国男の読んだチューネンの『孤立国』
3. 周圏論的発想と「孤立国」の形態
4. シミュレーション
5. 空間的な拡散のシミュレーション
6. 似たもの同士による空間的な領域の形成のシミュレーション
7. なぜ方言の多様性が出現するかーNettle のシミュレーション
8.  言語変化における中心と周辺の役割
ーFagyal et al. のシミュレーション 9. おわりに

音韻ルールの方言周圏論   有元光彦
1. はじめに
2. テ形音韻現象とは?
3. テ形音韻現象の周圏性
4. まとめ
5. 方言形成のシナリオ
6. おわりに

中心地の言語的影響力 『方言文法全国地図』データベースを用いて   鑓水兼貴
1. はじめに
2. LAJ による先行研究
3. 『方言文法全国地図』による分析
4. 「鉄道距離」による分析
5. まとめ

近畿・四国地方における言語変化 動詞否定形式を例として   岸江信介
1. はじめに
2. 近畿中央部にみられる変化
3. 近畿地方における動詞否定形式の分布と特徴
4. 近畿圏外への言語伝播?四国方言を例として
5. おわりに

近畿地方の方言形成のダイナミズム 寄せては返す「波」の伝播   日高水穂
1. はじめに
2. 近畿地方の社会構造
3. 動詞否定辞の伝播の動態
4. ヤン類の由来
5. 「来る」の否定形の動態
6. 寄せては返す伝播の「波」
7. おわりに

キリシタン文化と方言形成 Jesus の歴史社会地理言語学   小川俊輔
1. はじめに
2. Jesus の文献史
3. キリシタン文化と方言形成(1)ーJesus の方言分布
4. キリシタン文化と方言形成(2)ー戦後の新しい方言形成
5. おわりにー柳田方言学の現代的意義

敬語意識とその説明体系の地域性   中井精一
1. はじめに
2. 共同調査から見えてきた城下町高知
3. 高知市における敬語運用の実態
4. 敬語意識の形成とその背景
5. 敬語のあり方から見えるいくつもの日本

接触言語学から構想する方言形成論 ハワイの日系人日本語変種を例にして   渋谷勝己
1. はじめに
2. 先行研究と問題のありか
3. ハワイ日系人日本語変種と分析データ
4. ハワイの日系人日本語の実態
5. 方言形成論の展開に向けて

方言形成論の到達点と課題 方言周圏論を核にして(改定版)   小林隆
1. はじめに
2. 方言周圏論の考え方
3. 伝播の局面について
4. 受容の局面について
5. 保存の局面について
6. おわりに

あとがき
索引
執筆者紹介




【編者】小林隆 東北大学大学院文学研究科教授
【執筆者】有元光彦、大西拓一郎、小川俊輔、沖裕子、岸江信介、熊谷康雄、渋谷勝己、瀬戸口修、田島優、中井精一、中西太郎、灰谷謙二、日高水穂、町博光、鑓水兼貴



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