主体と文体の歴史 亀井秀雄 著 ひつじ書房 主体と文体の歴史 亀井秀雄 著 ひつじ書房
2013年5月

未発選書 19

主体と文体の歴史

亀井秀雄 著 著者のHP

装丁 奥定泰之

四六判上製 608頁 定価4700円+税

ISBN 978-4-89476-641-9

ひつじ書房


亀井秀雄『主体と文体の歴史』講演会のご案内 2013年7月1日18時より 於立教大学【終了しました】
*内容紹介*

文学史の時代区分は、国家という枠組みによってリアリティをもち、成長や開花といった生命体の比喩で語られる。そうした中央集権的な思考や制度的な言説を脱構築する様々なテクストと文体の試みは、どのように展開されていたのか。「第1部 発話と主体」、「第2部 時間と文体」、「第3部 近代詩の構成」、「第4部 文体と制度」の4部構成から明らかにしていく。近代文学研究に大きな功績をあげた著者の単行本未収録論文集。


*目次*


まえがき

 第I 部  発話と主体

第1章 文学史の語り方
第2章 言語と表現のはざま
第3章 散文のレトリック―『言語にとって美とはなにか』の読み変えにより
第4章 言説(空間)論再考
第5章 メビュウスの帯の逆説―酒井直樹『過去の声』
第6章 三浦つとむの拡がり

 第II部 時間と文体

第1章 纂訳と文体
第2章 時間の物語

 第III部 近代詩の構成

第1章 近代詩草創期における構成の問題―近代詩史の試み(一)
第2章 山田美妙の位置―近代詩史の試み(二)
第3章 『於母影』の韻律―近代詩史の試み(三)
第4章 身体性の突出―近代詩史の試み(四)
第5章 「○題詩」と意匠―近代詩史の試み(五)
第6章 抒情詩の成立―近代詩史の試み(六)

 第IV部 文体と制度

第1章 制度のなかの恋愛―または恋愛という制度的言説(イデオロギー)について
第2章 漱石の神経衰弱と狂気―『文学論』を中心に
第3章 文学史のなかで―夏目漱石『吾輩は猫である』
第4章 『坊っちやん』―「おれ」の位置・「おれ」への欲望
第5章 『草枕』
第6章 『陽炎座』のからくり
第7章 明治期「女流作家」の文体と空間
第8章 語りと記憶―『山月記』と多喜二の二作品
第9章 文学としての戦後
第10章 『M/Tと森のフシギの物語』―伝達構造の物語
第11章 アイデンティティ形式のパラドックス
第12章 「得能五郎」と検閲
第13章 大熊信行がとらえた多喜二と伊藤整
第14章 戦略的な読み―〈新資料〉伊藤整による『チャタレイ夫人の恋人』書き込み

初出一覧
索引

*執筆者紹介*
亀井秀雄(かめい ひでお)
1937年、群馬県に生まれる。1959年、北海道大学文学部卒業。1968年、北海道大学文学部助教授、1984年に同教授。2000年、同大学を定年退職、名誉教授。同年、市立小樽文学館館長。著書に『小林秀雄論』(塙書房、1972年)、『現代の表現思想』(講談社、1974年)、『感性の変革』(講談社、1983年)、『「小説」論』(岩波書店、1999年)、『明治文学史』(岩波書店、2000年)など。

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