新方言の動態30年の研究—群馬県方言の社会言語学的研究 佐藤髙司 著 新方言の動態30年の研究 佐藤髙司 著
2013年2月

ひつじ研究叢書(言語編)第105巻

新方言の動態30年の研究

群馬県方言の社会言語学的研究


佐藤髙司 著

ブックデザイン 白井敬尚形成事務所

A5判上製函入り 定価8,600円+税

ISBN 978-4-89476-627-3

ひつじ書房



1980年代、共通語化に逆らう言語変化として若年層に方言が生じる現象が「新方言」として注目された。当時、若年層に発生・拡大した新方言は30年後、どうなったのか。本書は、30年間にわたる群馬県での3回の経年調査をもとに、現代の若年層における方言使用の動態を社会言語学的視点から解明した。30年間におよぶ新方言の動態観察に加え、新方言の理論整理や研究史、若年層における伝統方言「ベー」の使用実態の変容、方言使用と属性など、群馬の新方言研究の集大成である。



上毛新聞(2013年4月13日)に取り上げていただきました。


【目次】
まえがき
I 理論編
第1章 本研究の目的と方法
1. 研究の目的
2. 研究の対象「群馬県方言」
3. 研究の立場「社会言語学的研究」

第2章 新方言の理論と本研究
1. はじめに
2. 社会言語学的研究としての新方言研究
3. 新方言の理論の整理
4. 新方言の理論と本研究

第3章 群馬県方言及び新方言の研究史
1. はじめに
2. 1970年代以前
3. 1980年代
4. 1990年代
5. 2000年以降
6. 群馬県の新方言研究から日本の社会言語学へ

第4章 本研究における経年調査の概要
1. 調査地域
2. 調査方法
3. 第1回調査(1980年)
4. 第2回調査(1992年)
5. 第3回調査(2010年)

II 群馬県における30年間の新方言の動態
第1章 東京型新方言と地方型新方言の30年間の動態
1. はじめに
2. 1980年からの12年間における東京型と地方型の新方言の変化
3. 東京型新方言の30年
4. 地方型新方言の30年
5. おわりに

第2章 東京型新方言と地方型新方言の接触
1. はじめに
2. 比況を表す3表現
3. 3表現の使用状況の推移
4. 東京型新方言・ミタクの普及過程
5. まとめ

第3章 東京型新方言の普及
1. はじめに
2. チガカッタの発生と発生要因
3. チガカッタ、チガクナッタの使用状況の推移
4. チガカッタ、チガクナッタの群馬県への普及
5. まとめ

III 群馬県における30 年間のべーの動態
第1章 意志・勧誘のベーの動態
1. はじめに
2. 全国及び群馬県での意志・勧誘のべー
3. 意志・勧誘のベーの30年間の動態
4. ベー全体の衰退傾向
5. ベーの接続の単純化
6. おわりに

第2章 推量のベーの動態
1. はじめに
2. 全国及び群馬県での推量のべー
3. 推量のベーの30年間の動態
4. 推量のベーの変化の様相
5. おわりに

第3章 べーの新しい変化
1. はじめに
2. 意志・勧誘のベー
3. 推量のベー
4. ベーの新たな動き
5. おわりに

IV 群馬県若年層における方言使用と属性
第1章 方言使用における男女差
1. はじめに
2. 東京型新方言の男女差
3. 地方型新方言の男女差
4. まとめ

第2章 方言使用意識の変容
1. はじめに
2. 若年層における言語使用意識と方言の「アクセサリー化」
3. 群馬県の若年層における言語使用意識
4. 群馬県の若年層における言語使用意識とその変容(まとめ)

第3章 ラ抜きことばの変
世代差・場面差・男女差・地域差・語彙差
1. はじめに 199
2. ラ抜き言葉に関する研究と方言・新方言
3. これまでの群馬県の若年層におけるラ抜きことばの実態
4. 第2回調査(1992年)と第3回調査(2010年)の群馬県の若年層におけるラ抜きことばの実態
5. まとめ

第4章 若年層の方言使用と「学校方言」
1. はじめに
2. 「学校方言」とは
3. 「学校方言」と「気づかない方言」、「気づかれにくい方言」
4. 「学校方言」の動態
5. まとめ

まとめと今後の展開
新方言研究と国語教育 「広義の新方言」という考え方
1. 各部各章のまとめ
2. 新方言理論と一般理解のずれ
3. 「広義の新方言」と国語教育への応用
4. まとめ
参考文献
あとがき
索引

【執筆者紹介】

佐藤髙司(さとう たかし)
1958 年栃木県足利市生まれ。2011 年、東北大学大学院文学研究科言語科学専攻博士課程修了。博士(文学)。群馬県小・中学校教諭、管理主事を経て、2004 年より茨城工業高等専門学校人文科学科助教授。2006 年より共愛学園前橋国際大学国際社会学部准教授。2009 年より同教授。

〈主要著書・論文〉『調べてみよう暮らしのことば』(全7冊、共著、ゆまに書房、2003〜2004年)、『方言クイズ』(共編、講談社、2007年)、『群馬方言に関する国語科授業のための資料集』(私家版、2008年)、『方言と地図』(共編、フレーベル館、2009年)、『地図とグラフで見るぐんまの方言』(上毛新聞社、2009年)など。


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