学習者の自律をめざす協働学習—中学校英語授業における実践と分析 津田ひろみ 著 学習者の自律をめざす協働学習—中学校英語授業における実践と分析 津田ひろみ 著
2013年11月

学習者の自律をめざす協働学習

中学校英語授業における実践と分析

津田ひろみ 著

装丁者 吉岡透(ae)/明田結希(okaka design)

A5判上製 定価6,800円+税

ISBN 978-4-89476-617-4

ひつじ書房


本書は、自律的学習者を育む教授法のひとつとしてメタ認知指導を重視した協働学習を取り上げ、中学校英語授業での実践データに基づいてその効果を分析している。量的調査によって自律的学習態度の涵養に関わる協働学習の効果を示すとともに、質的調査によって協働学習に対する学習者の意識を探る。さらに相互行為の分析により学習者間に内在する社会文化的役割を明らかにするなど、協働学習を多角的に分析しており、英語教員のみならず、広く言語コミュニケーションに関心のある人々にも薦めたい。

目次
まえがき
文字化記号一覧

第1章 英語教育の現状と研究の意義
1.1 最近の英語教育の現状
1.2 研究の目的と意義
1.3 本書の構成

第2章 英語教育に関する研究の動向
2.1 近年の研究の傾向
2.2 学習ストラテジーに関する研究について
2.2.1 研究の発端となったOxford(1990)の概要
2.2.2 Oxford(1990)以外の学習ストラテジーの分類
2.2.3 Oxford(1990)に対する最近の批判
2.2.4 学習ストラテジーの使用・認識に影響を与える要因に関する問題点
2.2.5 学習ストラテジー研究の動向
2.3 自律的学習に関する研究について
2.3.1 学習における自律の定義
2.3.2 自律的学習とメタ認知ストラテジーの関係
2.3.3 自律的学習と協働学習の関係
2.3.4 自律的学習における教師の役割
2.3.5 学習における社会コンテクスト
2.4 協働学習に関する研究について
2.4.1 協働学習の定義
2.4.2 協働学習の理論的枠組み
2.4.3 協働学習の成立条件
2.5 社会文化的アプローチに基づく研究
2.5.1 「発達の最近接領域」理論という概念
2.5.2 「対話」という概念
2.5.3 「抑圧からの解放」という概念
2.5.4 協働学習を支える主要概念の比較
2.6 研究の動向―まとめ

第3章 研究の枠組み
3.1 本書における鍵概念の作業定義
3.1.1 自律的学習者とは何か
3.1.2 協働学習とは何か
3.2 研究の対象
3.2.1 研究協力者
3.2.2 調査のフィールド
3.3 方法論の概要
3.3.1 量的調査
3.3.2 質的調査

第4章 質問紙調査の統計分析と結果
4.1 調査の概要
4.1.1 リサーチ・クエスチョン
4.1.2 調査の対象
4.1.3 調査手順
4.2 調査方法
4.2.1 英語運用能力テスト:GTEC
4.2.2 英語学習に関する質問紙
4.2.3 リーディング・タスクに関する質問紙
4.2.4 統計的手法
4.3 分析結果と考察
4.3.1 協働学習と英語運用能力の関連について
4.3.2 協働学習におけるメタ認知の認識度について
4.3.3  協働学習におけるリーディング・ストラテジー使用について
4.4 量的調査のまとめ
4.4.1 リサーチ・クエスチョン
4.4.2 今後の課題

第5章 自由記述調査の質的分析と結果
5.1 調査の概要
5.1.1 リサーチ・クエスチョン
5.1.2 調査の対象
5.1.3 調査の手順
5.2 調査の方法
5.2.1 予備調査
5.2.2 自由記述シートによる調査
5.3 分析と考察
5.3.1 予備調査の分析結果
5.3.2 自由記述シートの分析結果
5.3.3 自由記述に関する考察
5.4 自由記述に関する調査のまとめ

第6章 協働学習の教室エスノグラフィー分析と結果
6.1 調査の概要
6.1.1 研究課題
6.1.2 調査の対象
6.1.3 調査の手順
6.2 分析の方法
6.2.1 協働学習の定義と分析の枠組み
6.2.2 鍵概念について
6.3 教室で起こっていること①―分析と考察
6.3.1 エピソード#1(補遺22)
6.3.2 エピソード#2(補遺24)
6.3.3 エピソード#3(補遺26)
6.4 協働学習における相互行為のまとめ
6.5 教師主導型学習における相互行為のエスノグラフィー分析
6.5.1 調査の概要
6.5.2 教室で起こっていること②―分析と考察
6.6 協働学習における相互行為と教師主導型学習における相互行為の比較

第7章 自律的な学習者の育成をめざす協働学習と英語教育
7.1 研究の概要
7.1.1 研究の結果と考察
7.1.2 結論
7.1.3 協働学習における教師の役割
7.2 研究の限界と今後の課題
7.2.1 研究の限界
7.2.2 今後の課題

参考文献
補遺
あとがき
索引


著者紹介
津田ひろみ(つだ ひろみ)
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程修了、2011 年学位取得(異文化コミュニケーション学)。十数年にわたり、中学校を中心に小学校・高等学校・短期大学で非常勤講師をつとめる。現在、明治大学・東京農工大学・実践女子大学・他で英語基礎科目および英語科教育法関連科目を担当。


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