浜口稔著
A5判上製カバー装 9,800円+税
ISBN 978-4-89476-553-5
ひつじ書房
言葉と事物の対応は、西洋人にとって宿年の難題であり続けた。かつて言葉の理論とは即事物の理論(自然学・博物学)であったが、近現代の言語学は事物世界から離反した自律的立場を志向し、その難題を回避した。言葉の理論は一方で事物を制御する言語機械として展開し、近現代の言語学も機械論的な特徴を尖鋭化させた。この経緯は言語研究の学としての成立にも触れてくる。本書は、こうした言葉と事物の相関を西洋言語思想史に底流する観念の歴史として浮き彫りにする。