ひつじ書房 近代芸能文化史における『壺坂霊験記』 生人形から浄瑠璃、そして歌舞伎・講談・浪花節へ 細田明宏著 ひつじ書房 近代芸能文化史における『壺坂霊験記』 生人形から浄瑠璃、そして歌舞伎・講談・浪花節へ 細田明宏著
2020年2月刊行

シリーズ文化研究 4

近代芸能文化史における『壺坂霊験記』

生人形から浄瑠璃、そして歌舞伎・講談・浪花節へ

細田明宏著

定価7800円+税 A5判上製カバー装 276頁

978-4-8234-1026-0

ひつじ書房

"Tsubosaka Reigenki" (The Miracle at Tsubosaka Temple) in Traditional Performing Arts in Modern Japan
HOSODA Akihiro


【内容】
『壺坂霊験記』は、明治20年(1887)に浄瑠璃として初演されたのちに歌舞伎や講談、浪花節でも上演されて人気を博した。妻の献身と観音の霊験により盲目の男が開眼するというストーリーや、お里・沢市という登場人物は広く人々に親しまれている。本書は、近代芸能史上にユニークな位置を占めるこの作品について、宗教的物語が芸能化してさまざまなジャンルに展開する過程をたどり、時代背景からその特質を明らかにする。



【目次】
序章 はじめに

第一部 成立
第一章 西国霊場の霊験譚
一―一 西国霊場と壺阪寺
一―二 宗教的物語としての沢市開眼譚
一―三 歌川豊国の錦絵『観音霊験記』
一―四 結び

第二章 生人形
二―一 松本喜三郎の『観音霊験記』―東京
二―二 松本喜三郎の『観音霊験記』―大阪
二―三 生人形『観音霊験記』における沢市開眼譚
二―四 結び

第三章 浄瑠璃
三─一 明治一二年の『西国三拾三所 観音霊場記』
三─二 明治二〇年の『観音霊験記 三拾三所花野山』
三─三 夫婦の物語としての『壺坂霊験記』
三─四 結び

第二部 展開
第四章 歌舞伎
四―一 悪者・雁九郎の登場
四―二 歌舞伎『壺坂霊験記』の配役
四―三 二つのバージョンの成立
四―四 早替りという演出への評価
四―五 結び
付論 勝諺蔵『西国三拾三所 観音霊験記』
四―六 題材と趣向
四―七 勝諺蔵『観音霊験記』における沢市開眼譚
四―八 付論結び

第五章 講談
五―一 『壺坂霊験記』の講談化
五―二 旭堂南陵の『壺坂霊験記』
五―三 清草舎英昌の『壺坂霊験 お里沢市』
五―四 結び

第六章 浪花節
六―一 SPレコードにおける詞章
六―二 新聞ラジオ面における詞章
六―三 浪花節『壺坂霊験記』の典拠および特質
六―四 浪花亭綾太郎の『壺坂霊験記』
六―五 結び

第七章 芸能から宗教へ
七―一 宗教と芸能
七―二 生人形『観音霊験記』の影響
七―三 浄瑠璃『壺坂霊験記』の影響
七―四 結び

第三部 時代性
第八章 改良
八─一 「音曲改良の趣意」
八─二 『壺坂霊験記』における「音曲改良」
八─三 更なる改良
八─四 結び

第九章 読まれ方の変遷
九─一 貞節をめぐる物語
九─二 夫婦愛の物語という読み方
九─三 貞節から夫婦愛へ
九─四 結び

参考文献
付録一 (解題・翻刻)加藤富三郎編輯・出版『西国順拝生木偶評判新報第一号』
付録二 (解題・翻刻)豊沢新三郎使用『西国三十三所 壺坂寺の場』
あとがき
索引




【著者紹介】
細田明宏(ほそだあきひろ)
〈略歴〉2001年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学修士(人間・環境学)。現在、帝京大学教授。
〈主要論文〉「義太夫節浄瑠璃における口伝と観客/聴客—語りの構造と「前受け(客受け)」」『比較日本文化研究』18(比較日本文化研究会、2016年)、「文楽の三人遣いにおける左遣いと足遣い」『比較文化—グローバルコミュニケーション』(英光社、2015年)ほか。


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