ひつじ書房 文脈情報を用いた文章理解過程の実証的研究 石黒圭編 ひつじ書房 文脈情報を用いた文章理解過程の実証的研究 石黒圭編
2020年1月刊行

文脈情報を用いた文章理解過程の実証的研究

学習者の母語から捉えた日本語理解の姿

石黒圭編

定価6800円+税 A5判上製函装 260頁

白井敬尚形成事務所(ブックデザイン)

ISBN 978-4-8234-1007-9

ひつじ書房

Inference Use in Reading Comprehension Processes among JSL Learners
Edited by Ishiguro Kei


【内容】
「家の奥」ってどこ? 「若干名」って何人? 「小枝を拾って食べる」? 「観光地のソフト」と「ソフトの朝練」の「ソフト」は同じ? 「名前を控える」と「お酒を控える」は? 日本語学習者の頭のなかで起きている意味の理解という不思議な現象を、母語による分析からあぶり出し、その語彙推測能力や文脈把握能力に迫る画期的論文集!執筆者:井伊菜穂子、石黒圭、烏日哲、赫楊、Nguyen Thi Thanh Thuy、田中啓行、Dang Thai Quynh Chi、張秀娟、布施悠子、宮内拓也、蒙韞、劉金鳳



【目次】


I 文章理解調査の概要

第1章 本調査の目的と背景 石黒圭
1. はじめに
1.1 語彙力と文法力
1.2 読むための語彙力
1.3 読むための文法力
2. 本研究の背景
2.1 語彙研究の背景
2.2 文法研究の背景

第2章 本調査の枠組み 石黒圭

1. 調査の特徴
2. 調査の方法
3. 調査の対象者
4. 分析の方法

II 文章理解における語義把握の方法

第3章 和語動詞の語義把握の方法 烏日哲、Dang Thai Quynh Chi
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
3. 調査の項目
4. 分析結果と考察
4.1 語義知識と語義理解の傾向
4.2 和語多義動詞を理解する際の手がかり
4.3 漢字表記の和語動詞を理解する際の手がかり
4.3.1 基本義を利用した派生義への拡張
4.3.2 漢字を利用した語義推測
4.3.3 構造的手がかりを利用した語義推測
4.4 平仮名表記の和語動詞を理解する際の手がかり
4.4.1 連語的手がかりを利用した語義推測
4.4.2 関係的手がかりと論理的手がかりを組み合わせた語義推測
4.4.3 教室外の生活経験を利用した語義推測
5. 日本語教育へ示唆
5.1 コロケーション提示の重要性
5.2 異字同訓の特徴を意識させる重要性
5.3 手がかりを例文に盛り込む必要性
5.4 細かいニュアンスの指導
6. まとめ

第4章 外来語の語義把握の方法 劉金鳳、Nguyen Thi Thanh Thuy
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
3. 調査項目と分析方法
4. 分析の結果と考察
4.1 語義知識・日本語能力・滞日経験と外来語の語義推測との関係
4.2 外来語の語義推測で使用される手がかり
4.3 外来語の語義推測の困難点
4.4 外来語の語義推測のためのストラテジー
4.4.1 複数の手がかりを併用する
4.4.2 最初の解釈を疑い再解釈する
5. 教育への示唆
6. まとめ

第5章 固有名詞の語義把握の方法 蒙韫(韞)、Nguyen Thi Thanh Thuy
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
3. 調査の項目
4. 分析の方法
5. 分析の結果と考察
5.1 日本語母語話者について
5.2 日本語学習者について
5.2.1 母語・日本語能力・滞日経験と固有名詞の語義理解との関係
5.2.2 母語・日本語能力・滞日経験と固有名詞の語義推測との関係
5.3 固有名詞の解釈プロセスの特徴
6. 教育への示唆
7. まとめ

第6章 空間・数量を表す語の語義把握の方法 布施悠子、Dang Thai Quynh Chi
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
2.1 空間表現に関する先行研究
2.2 数量表現に関する先行研究
3. 調査項目と分析方法
4. 分析結果
4.1 語義知識と語義理解の傾向
4.2 未知語に対する語義推測の成功例
4.2.1 語彙的手がかりの例
4.2.2 構造的手がかりの例
4.2.3 内容的手がかりの例
4.3 既知語に対する語義理解の失敗例
4.3.1 語義を正しく理解していない場合
4.3.2 空間認知が日本人と異なる場合
4.3.3 文脈の中での数量的感覚がわからない場合
5. 結果の考察と教育への示唆
5.1 多角的に語義を考えるモニター力の育成
5.2 多義的な語義の明示
5.3 空間・数量の具体的なイメージの提示
6. まとめ

III 文章理解における文脈把握の方法

第7章 文章理解研究のための視線走査実験 宮内拓也
1. はじめに
2. 先行研究
3. 調査内容
3.1 調査対象者
3.2 調査方法
3.3 調査項目
4. 結果
5. まとめ

第8章 接続詞による文脈理解の方法 井伊菜穂子、宮内拓也
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
3. 調査内容
4. 分析の結果
4.1 回答一致率の全体的傾向
4.2 学習者のみ回答が一致しない接続詞とその文脈
4.3 母語話者も回答が一致しない接続詞とその文脈
5. 結果の考察と教育への示唆
6. まとめ

第9章 指示語による文脈理解の方法 田中啓行、宮内拓也
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
3. 調査内容
4. 分析結果
4.1 指示対象の特定
4.2 後方照応の理解
4.3 指定指示の理解
4.4 人称代名詞の理解
5. 結果の考察と教育への示唆
6. まとめ

第10章 複雑な連体修飾構造把握の方法 張秀娟
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
3. 調査内容
3.1 調査項目
3.2 調査方法
4. 分析の結果と考察
4.1 連体修飾構造を把握する際の困難点
4.1.1 連体修飾節の範囲の把握
4.1.2 文の主述構造の把握
4.1.3 連体修飾節の範囲の把握と文の主述構造の把握との関わり
4.2 連体修飾構造把握の手がかり
4.2.1 統語関係
4.2.2 意味関係
4.2.3 語用論的推論
4.2.4 文脈的推論
4.2.5 各把握手がかりの使用傾向
5. 教育への示唆
6. まとめ

第11章 文章理解における連鎖する語彙の意味推測 赫楊
1. はじめに
2. 先行研究と本研究の位置づけ
3. 調査内容
3.1 調査項目
3.2 調査対象
4. 分析結果
4.1 概観
4.2 ケーススタディーとその結果
4.2.1 語彙的手がかり使用の功罪
4.2.2 生の日本語に触れる重要性
4.2.3 語義推測を諦めない姿勢
4.2.4 文脈を生かした推測
5. 結果の考察と教育への示唆
6. まとめ

 おわりに
 索引
 執筆者一覧


【編者紹介】
石黒 圭(いしぐろ けい) 国立国語研究所日本語教育研究領域教授、一橋大学言語社会研究科連携教授 おもな著作・論文:『日本語教育のための実践・読解指導』くろしお出版(編著、2019)、『クラウドソーシングを用いたビジネス文書の言語学的研究』ひつじ書房(編著、近刊)


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