新津

AM8:50

新津 着。 お腹ぺこぺこで 下車。(さっき「遭難した人達」みたいに分け合って分け合ってお菓子をボソボソとつまんだのだけどね。)
とにかくまず「鉄道資料館」めざして歩くことにした。 「るOO」を片手に歩いていく。が、全然目標物が無い。いったいぜんたいどういうことだ。???と頭をならべて、それでもあるいていくと「やっと」、本当にやっと目標の橋が出現した。ところが「るOO」に載っている酒屋さんがない。営業をやめたのかしらん、と言いつつその先へ歩いていくと「やっと」あった。
これでわかった。縮尺が生半可ではないのだ。ここまできてバスにすればよかったって言ったって仕方ない。「いくぞー」と逆に気合を入れなおして、先へ行くことにした。
途中大きな橋があった。遮蔽物が無いので、ものすごい風がまともに吹きつけてくる。春浅い風はまだまだどうしてどうして、身を切るようだ。3人娘は風に吹き飛ばされそうになりつつ、鼻を赤くしつつ、橋をわたったのであった。
橋を渡るとすぐだった。AM9:40鉄道資料館にやっと 着。 途中で購入したお弁当を持って「朝一番」に乗り込んで来た3人娘を、資料館のおじさんはあたたかくむかえてくれた。わざわざファンヒーターをつけてくれ、お弁当にはね、と、お茶までいれていただいた。ありがとうございます。
鉄道資料館は入り口のところに、新幹線の先頭部分や踏み切りが置かれていること以上に内容が興味深かった。鉄道の今昔が、さまざまな展示物によって語られていた。電気や工学に造詣があればもっと理解が深まったかもしれない。が、日頃見られないものばかりで、たいへんおもしろかった。
資料館での時間を優先にして、帰りはバスにした。 新津駅で約10分時間があったので、ダッシュで「坂口安吾」の碑を見にいった。

AM11:24

新津 発。磐越線で「五泉」へ。車窓は一面に霜枯れた田園風景。
車内はやけに混んでいた。立っている私の前の席で話しているおじさん二人は、ずっと鉄道の話をしている。しかも、私の郷里の方言であり、郷里の鉄道廃線の話題。知っている地名をこんなところで耳にするなんて、と意外で不思議でニヤニヤしそうになったが、よくみてみると車内の人は、いかにも「ちょっとした鉄道旅です」風の人が多く、あれ?っと思った。 その謎は「五泉」で解けたのだが。

AM11:40

五泉 着。私達は普通に下車したのだが、件のおじさん方や小学生くらいの僕達がみんな同じ方にむかって走っていかれる。そのものものしい雰囲気にひかれ、ついていくとなんと、一両の古びた電車に人だかり。カメラマンがたくさん。小学生の僕も嬉々としてシャッターをきっている。
これはなにかある。乗るしかない。車内は床が木造で、年代を感じさせる。これは蒲原鉄道といって近々廃線になるということらしい。

PM12:00

村松 着。
途中、二度電車は急ブレーキ。なぜかというと、線路をわたっていた耳の遠いお年寄りの安全のため、それから電車マニアのカメラマンのせい。電車がぎりぎりに通るまで線路内で粘ってるんだもん。非常識な。
ついた駅は木造。昔の学校みたいでなかなかあたたかい感じがする。
駅にはナント、忠犬「タマ公」の像が!オウジともども狂喜の乱舞をする。スタンプの図柄も。すごい犬だったらしい。
タクシーで「さくらんどおんせん」へ。田園の中にデンとたっていた。入浴料¥700タオルつき。露天風呂ありサウナあり。寒風吹きすさぶ中での露天風呂は、頭は冷えて体はものすごくあたたか、という矛盾が心地よかった。初体験サウナ、3人娘は30秒でダウン。 我慢できずにヘロヘロになって退出。湯上りのおばさんの会話「やっぱりサウナは疲れがとれるわよねー。」発言に、卓越したものを感じる。

PM2:00

村松 発。高速バスで新潟へ。 ジョージが船をこいでいる。その手に持っていた地図や「る◯◯」は彼女の膝の上からズリ落ちかけている。のを、横目に見つつエンジも、意識がなくなる。お風呂上がり三人娘は、お昼ねタイムです。

PM15:11   雨

新潟 着。なんと、とうとう雨がふりだしてしまった。
そんな中、エンジのたっての願いで「会津八一記念館」にむかう。 大学ゆかりの人でもあるから、なんて言ってかなり強引に行くことに決めてしまった。バス乗り場で迷いそうになるも、バスセンターのおばさんに教えていただく。
●会津八一記念館。

入り口は「公民館」的で、厳粛な博物館のようなかんじでは全然無い。 入り口脇には、大きな沈丁花が植わっている。寒い雨の中に、あの独特の芳香が漂う。
ちゃんと記帳をして来館記念を残す。2Fにのぼっていくとたくさんの資料が展示されている。奈良にゆかりのある物ばかり。とくに瓦の拓本などは、奈良へ観光にいっても、見られないだろうなぁ。仏像なども貴重なものが。それから、会津八一氏の短歌の直筆作品や奈良各地の短歌碑の写真など。
居心地がよく、外は雨で他に行くところも無いため、結局閉館まで居てしまった。
●どっぺり坂。

全59段で、この段数は、地元の大学では及第点に一点足りないといういわくつきらしい。
●万代橋。

信濃川にかかる。川幅はかなり広い。歩いて渡った。夜景がたいへんきれいだった。しかし、夜でもあり、また、浅い春の雨がショボショボさむ降り。河畔のホテルが豪華そう。

●イトーヨーカドー

5F「まほろば」にて、お好み焼き。夕飯を食べる。寒い中歩き疲れて、ペコペコのお腹にジンワリ響いた。
●JOYポリス。

結構楽しみにしていったのにつまらなかった。結婚披露宴のため貸し切りにされていたから、余計に。しかし今どきの人達はこういう披露宴もするんだなぁ。と、世の中を知らない三人娘は思ったのであった。
●「居酒屋あいうえお」

この旅行の中での、最後にして最大級の「とっとき」。「る◯◯」の地図が全く間違っていたのでサンザンな迷子になる。ふくれつつ、眼を皿のようにしてやみくもに歩いていたらば、やっと発見!一気に明るい表情になる、三人娘。今泣いた(正確には、泣きそうだった)カラスが、 なんとやら。混んでいたので、しばらく待ったが、そんなことはなんともない。至福の表情で「越の寒梅」を味わう3人娘。
●デイリーストアーにて。

てっきり「限定品」とおもって生チョコ購入。しかし。後日、東京(武蔵境)でも販売していることが判明。がっかりする。

新潟駅

新宿行き「ムーンライトえちご」を待つ。少し遅れているようだ。すでに車内は人が乗っている。「新発田」始発だから、そこからの人たちであろう。
いつの間にかジョージがいなくなっている。一緒に乗り込んだのになぁ。あれ?どうやら、車外にいったらしい。もうすこしで発車なのに!と、思ってハラハラしていたら、ギリギリに帰ってきた。なんと、このわずかな時間を利用して、新潟駅限定プリクラを撮りに行っていたらしい。さすが、三月初めに北海道単独旅行をして、かつ、氷中のオホーツク海に落ちて生還を果たした女だけある。と、オウジとエンジは妙に感心してしまったのであった。
フィルムの最後に、新潟駅に来た証拠写真を撮る。旅行「最後」のページに「ようこそ」という、不思議なアルバムになった。

3月22日(月)晴れ・強風

AM5:10

新宿 着。高尾〜八王子間が線路の土が雨で崩れたとかで、朝から中央線はトラブル。ああ、ここはやはり、東京だなあ。そのまま寝起きの顔で、むくんだ足と眠い頭とぐったりした身体をかかえて家路へ。
21日は、長い長い長い一日間だったという感慨をこめて。

おわりに


初めてにしては、なかなかいい出来の旅行であった。たくさんのことに出会えてよかった。「見ただけ」にならないようにしていこうと思う。
次回、中国旅行も楽しみである。古き中国を廻る旅。昔の都、長安、現、西安へ。 三人娘は、中国語と太極拳をおおいに実行してくる決意。
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