| 宇賀治正朋氏による推薦の言葉 |
日本語研究は新しい言語理論の潮流の中で黒田成幸博士を先達とする多くの研究者により優れた成果を挙げてきたが、ここに新しく石川邦芳さんによる研究が加わった。 Discourse Representation of Temporal Relations in the So-Called Head-Internal Relatives は日本語のいわゆる主要部内在型関係詞節の構造を談話意味論の視点から検討し、それが関係詞節よりはむしろ「の」を主要部とする補文の構造をもつこと、節内部は時制表示を欠きアスペクトのみを表示すること、その他を明らかにした。 創造的言語学者 Laurence Horn を主査とするYale大学のPh.D. 論文を公刊したもので、日本語研究への新しい寄与であることを確信している。 （宇賀治正朋 東京学芸大学名誉教授 第3代日本英語学会会長） |