日本語複合動詞の習得研究

日本語複合動詞の習得研究 松田文子著 ひつじ書房 2004年3月5日★



日本語複合動詞の習得研究

  

認知意味論による意味分析を通して

松田文子著

  

シリーズ言語学と言語教育 第1巻

7000円+消費税
ISBN4-89476-204-8
ひつじ書房


 
●目次

序章
0.1 はじめに
0.2 「〜こむ」の多義性と多義語の習得における対訳の問題点
0.3 多義語の習得研究における方法論上の問題点
0.4 本研究の目的と研究の方法
0.5 本書の構成

第1章 複合動詞研究の概観
1.1 はじめに
1.2 体系的研究―結合条件及び分類に関する研究―
 1.2.1 国語学及び日本語学における研究
 1.2.2 言語学的研究
1.3 意味的研究―個々の複合動詞後項の意味に関する研究―
 1.3.1 類義語との意味的差異
 1.3.2 意味的派生のプロセス
1.4 他の言語との対照研究
1.5 日本語教育の観点からみて残された課題

第2章 第二言語習得における語彙習得研究
2.1 はじめに
2.2 第二言語習得における語彙習得研究
2.3 プロトタイプ理論
2.4 プロトタイプ理論に依拠した語彙(多義語)の習得研究
 2.4.1 Kellermanの研究
 2.4.2 Tanaka & Abe(1984)の研究
 2.4.3 Shirai(1995)の研究
 2.4.4 今井(1993)の研究
 2.4.5 松田(2000)の研究
2.5 語彙教育の視点からみた語彙習得研究の基本的課題
2.6 本研究の研究課題

第3章 「〜こむ」の意味構造はどのように捉えられるか
3.1 はじめに
3.2 姫野(1999)の研究
 3.2.1 「〜こむ」の用法に関する分類
 3.2.2 意味構造分析からみて残された課題
3.3 認知意味論による多義語の意味構造分類
 3.3.1 多義語の扱いに関する認知意味論の二つのアプローチ
 3.3.2 コア図式を用いた多義語の分析事例
3.4 「〜こむ」のコア図式の仮設
3.5 「〜こむ」の意味分類
3.6 ニ格を伴う「〜こむ」の用法
 3.6.1 「V1+こむ」と「V1+入れる/こめる」の意味的差異(Aタイプ)
 3.6.2 単純動詞(V1)と複合動詞(V1+こむ)の意味的差異(Bタイプ)
 3.6.3  内部移動先をあらわすニ格
3.7 ニ格を伴わない「〜こむ」の用法
 3.7.1 Cタイプ(姫野による「固着化」・「濃密化」)
 3.7.2 Dタイプ(「累積化」)
3.8 おわりに

第4章 「文の産出」にみられる「〜こむ」の意味知識
4.1 はじめに
4.2 調査の枠組みと研究課題
4.3 調査の概要
 4.3.1 調査対象者
 4.3.2 調査方法
4.4 調査結果
 4.4.1 研究課題(1)―「V1+こむ」の意味の習得状況はどのようなものか
 4.4.2 研究課題(2)―学習者は実際の使用に当たってどのような過剰使用をするか
 4.4.3 研究課題(3)―「〜こむ」の4種の意味タイプにおける習得困難点は何か
4.5 考察―なぜ過剰使用が生じるのか―
4.6 おわりに

第5章 「文の受容」にみられる「〜こむ」の意味知識
5.1 はじめに
5.2 調査の概要3
 5.2.1 調査対象者
 5.2.2 調査方法
 5.2.3 調査項目の作成
5.3 結果
 5.3.1 研究課題(1)
 5.3.2 研究課題(2)
 5.3.3 ニ格を伴う用法(Aタイプ・Bタイプ)
 5.3.4 ニ格を伴わない用法
 5.3.5 結果のまとめ
5.4 おわりに

第6章 語彙習得への教育的示唆と習得支援の方向性
6.1 はじめに
6.2 調査結果から得られた語彙習得への教育的示唆
6.3 偶発付随的学習―文脈を利用する方法―
6.4 語彙習得支援の方向性

第7章 認知意味論に基づいた新しいコンセプトによる意味提示方法の試案
7.1 はじめに
7.2 「〜こむ」の多義性はどのように扱われてきたか
7.3 「〜こむ」の意味記述の試案
 7.3.1 「〜こむ」の意味構造
 7.3.2 「〜こむ」の意味
7.4 おわりに

終章 本研究の要約と今後の課題
8.1 本研究の要約
8.2 L2語彙習得研究及びその支援への提案
8.3 結語
8.4 今後の課題

資料
参考文献




●著者紹介
松田文子(まつだふみこ)
1994年 日本女子大学人間社会学部教育学科卒業 1998年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士前期課程終了 2002年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了 人文科学博士。東京学芸大学留学生センター非常勤講師(1998年〜)を経て、現在お茶の水女子大学大学院人間文化研究科助手。



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